番外編 発見!!ヤンデレの書
……ある日、ベットの上に小さな本が置いてあった。俺のじゃないし、あ……深鈴の字だな。
あと、情報提供木森林?
開いて、見て一旦閉じる。うーん、これは予想外の展開。
もう一度開くと、事細かに俺や他の攻略対象達のプロフィールが載っていた。うへー、これはどっちに異常を感じれば?深鈴か木森林か?
試しに俺を読んでみる。
『石動良也 17歳 独身(婚約者有)』
すでに間違ってるぞ。ツッコミを入れても誰もいないけど。婚約者いねぇから……って深鈴のことかな?
『誕生日 4月4日 血液型 A 身長 175cm 好きなもの深鈴 嫌いなもの 他の女』
私情がやべぇ。実際のところは好きなものは特になく、嫌いなのは犬と暗闇とカラス。怖いもん。
『情に流され損することが多い。わかっているはずなのに苦労に突っ込み、身を減らす。それがお兄さんの長所で、短所だ。そのお陰がライバルが多い。わたしときーちゃん調べの情報をこの本に記して、いつか奴らを消す時の計画を練ろうと思う』
俺の妹は危険思想なのなぁ。
ページをめくるとしっかり調べあげられていた。……スリーサイズいる?あ、ちゃんと胸が大きい女の子の所には『優先事項』の判子が……。
『忘れるな、わたし。
お兄さんはわたしの全てだ。全てを守るのに危険や、道徳など捨て置け。
忘れるな、わたし。
お兄さんがしてくれた分の愛を返す。
その為になら、手段は選ばない』
「お兄さん?」
「ぅひゃへいっ!?」
「何ですかその素っ頓狂な声は。えーとわたしのメモ帳知りません?」
「しらなぁーい」
「じゃあ、その手に持ってる物は?ん?お兄さん」
「拾った、もので。ああー深鈴のなのか!!悪い悪い誰のかなぁー!!って思ってて!!」
我ながら苦しい言い訳だ。しかも、それを深鈴が見逃すわけはなく。
「家にはわたしとお兄さんだけですが?」
「はっ」
「見ました?」
「見てないよっ!?深鈴のバストがもうちょいでAからBにギリギリ届きそうとか」
「誰が限りなくBと言っても差し支えないAだと?」
墓穴を掘りまくった!!まぁこれから埋まるのだ。先に掘って置いた方が楽だろう。
「お兄さーん」
「ぅえ!?包丁が宙に!?どうやって!?えぇ!?空中で包丁が分裂した!?どうゆう仕組み!?」
「『妹奥義・鈴鳴ノ啄』」
悲鳴もなく殺される。
これは、深鈴を完全に攻略する少し前のことだった。




