好きだなぁヤンデレ
そうか。そりゃあ、そうだ。
ギャルゲーにおいてほとんどの場合のクリアというのは攻略対象との両想いというのが基本だ。
つまり俺は、完全攻略したその瞬間に。
深鈴に恋してしまったんだろう。
そうじゃなきゃあ、この深鈴に対する胸の高鳴りをどう説明していいのかわからない。
不思議そうに俺を覗き込んでくる深鈴に思わず身をよじり避けてしまう。
「お兄さん、どうしました。顔が赤いですよ?」
「いや、別に!?ドキドキしてないし!!
深鈴がマジで可愛くて直視できないとかそんなことないしっ!!」
「へ?その、ホントですか?」
ぐっ……これは中々の威力!!俺の妹ってこんなに可愛かったのか!!
深鈴は満足そうに笑って、家の方へと歩いて行く。後ろ姿から何から可愛い。
「お兄さん、目が変わりましたね」
「目?そ、そうかね」
「今までより、柔らかくて温かくて。
わたしを想ってくれてるのがわかりますよ」
可愛い過ぎるだろ!!!!
はぁ、もしこれを全員分するとしたら俺は攻略対象に対して感情が狂ってしまいそうだ。
それこそ、病んでしまうほどに好きになっているような気がしてしまう。
……とりあえずは、これに慣れるようにしないと。思ったより歯止めが効きそうにない。思い切り意識しないと。
「お兄さんっ」
「はぁいー」
おっとデレデレは、控えておこうか。




