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呼んでよヤンデレ

……用事があったんだと、行ってしまうひーたんのその背中を見て違和感が拭えなくて。

こういうのもなんだが、本当に自惚れるなと言われても仕方ないんだけども。この疑問を吐き出させてくれ。



「俺を放って行く用事とは!?」



あのひーたんが!!ヤンデレの王道を貫き一日中離れたくないよぉ。と言っていたひーたんが!!ある日はトイレまでついて来たひーたんだぞ!?

それが、何故……まで考えて冷静さを取り戻す。



さっきの表情だろうな。

自分が必要だと、すがるように聞いて来た時だ。ふわふわして狂気を含んだひーたんじゃなく、不安定で今にも壊れてしまいそうなひーたん。



「……あれをどうにかしないと、か」


「あれ?とは、何ですか?」


「ん、あれってのは、って伊澄ぃ」


「はい。そうですけど」



さっきまで居たかのように横に立っていた。

全然気付かなかったけど。今度その気配の消し方を教えてもらおう。



「悩んでます?ボクでよければ聞きますが」


「大丈夫だよ、伊澄。……で、いつからそこに」


「隣は今だよ。それまではずっと、見てたかな。いちゃいちゃした後険悪になって別れた所とか」


「しっかりと見てらっしゃる」



次から、次へと……来るなぁとは言えない。

この子も攻略対象だ。良い顔をしておかないと。



「んで、どうした?」


「実は今のような女の子をゲス顔で見るど変態のあなたに質問があってきたんだけど」


「あれ?今そんな酷い顔してるの?」


「あの、呼び方どうしよう」


「へ?」


「良也殿ってボクのキャラにあってないじゃない?だからどう呼ぼうかと」



キャラ!?メタな発言良いのか!?

……とはいえ武闘派で礼儀正しい軽い毒舌入ったスーツの黒髪美人だ。殿付けは確かにキャラが渋滞しかねない。



「だから最近なんか話すときも口調が安定しないのか?」


「わかりました?あなたに敬語かタメ口かで迷ってるのもあるんだよ」


「そこはタメ口で構わんよ」


「そ、そっか。わかったよ」



何故赤くなる。……呼び方ねぇ。

深鈴はお兄さん、弓月は呼び捨てだし。ひーたんはりょーたん。きららはさん付け、きららはくん付け。

出揃ってる感が否めねぇ。



「ボクらしい呼び方ないかな?」


「そうゆうの本人に聞いちゃう?」


「聞いちゃうよ。黙って考えてよ」


「うぅん当たりが強ぃい」


「お兄ちゃんは?」


「深鈴に殺されるぞ」



俺がね。滅多刺しだろうなぁ。例の妹奥義で。



「あ、えっと。あだ名とかは?」


「いいね。じゃあ、りょーやん」



ほぼ被ってるから。殺されるから俺が。



「ヤン」


「インド人みたいになってる。何故りょー取った」


「良也マン」


「ダサすぎる」


「men」


「対象が多いよ!?男性ほぼ振り返るからね!?」


「はっ……黒髪の男性」


「対象が、多いよ!!」



てか案外ボケてくるなぁ伊澄!!大量にぶっこんでくるじゃん!!まさかの本性だわ!!



「まぁ良くんで、いいか」


「おぉ普通に落ち着いたな」


「ふざけた呼び方なら呼ぶ時恥ずかしいでしょ」


「最初からそれを前提として考えようよ!!」


「良くんならいいかなぁって」



くぅー何だかんだ楽しいなっ!!

そのまま俺と伊澄は何だかんだ遊びつつ過ごして友達と言えるくらいにはなったのだ。

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