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赤とヤンデレ

「だぁああ!?」


「お兄さん?」



深鈴……?さっきのは……戻ったのか。

殺されて、選択肢前に。残機はあれ?マイナス0……初回サービスって書いてるな。



「お兄さん」


「ご、ごめん深鈴。ぼぅっとしてたわ」


「もう仕方ないですね」



微笑む深鈴に、背筋が震える。

戻ってるけど間違いなく俺は殺された。

大切過ぎて渡したくないから永遠に自分の物にと。何だろう、変に純粋なんだろうな。

思考は病んでても、純粋で真っ直ぐなんだ。

病んでるけどね!!二回言っとくからね!!



「お兄さん?」



そして、時が止まる。

うーんゆっくり考えよう服を脱ぐと、深鈴とその粗相した後に殺される。この流れだと押し倒しても殺されるだろ。

だって多分同じ展開なんだろうから。



「……ん?」



選択肢の上に小さい……バツマーク?

まさか、だけど。選択肢を選ばないって選択肢があるのか?じゃあ、ここは選ばずに行ってみよう。



「お兄さん?早く学校、行きますよ」


「お、おー」


「二人しかいないんですから、しゃんとしてくださいね」



……そんな設定だったっけ。義理の妹と俺だけなんだな。だから、一緒に居たくてずっと一緒に。どこにも行かないでと、俺を殺した。

とりあえずは言う事を聞いて、情報を集めて死なないようにこいつをクリアするしかない。



「そういえば今日は弓月ゆづきさんもご一緒にと言っていましたっけ」



弓月……えーと幼なじみだっけか。

柏原崎かしわばらざき弓月。めんどくさい苗字だ。と覚えていて、確かツンデレとか書いてあったけど……普通じゃあないんだろう。



「お兄さん。いつもと何だか感じが違います」


「そうか?俺は、いつも……通りだよ」


「ふぅん」



さっきのがあるからジト目怖いっす。

苦笑いしていると、また世界が停止する。え、また選択肢?

そして今度は三つ、現れてじっくり観察するとさっきのがイかれていたとわかる。



『テレビを見てから行く』


『すぐに出掛ける』


『弓月を迎えに行く』



おかしいだろ!!脱ぐとか襲うとか馬鹿なの死ぬの!?……ふぅ。落ち着け。

すぐに出掛けると言う深鈴の言葉に従うのが正しいとは思うけれど。弓月とというフラグもあった。

……すぐに出掛けるか。



「行こうぜ、深鈴」


「はい。お兄さん」



準備を終えて、家の扉を開ける。



「駄目だよっ」



PVで見たな、という赤い髪のポニーテールの女の子がレンガで俺の頭を殴り付けた。

真っ赤になる視界の隅で、体力が点滅していて。

即死級のダメージってことですか。

砕けてないのが不思議なくらいの勢いで殴られた頭から血が溢れ出てくる。



「良也駄目でしょ?今日、あんたは占い最下位で家から出ないのが吉だって。

見てないの?あたしはあんたに不幸になって欲しくないのになんで、そう簡単に動けるの?

ねぇ、聞いてるの?良也。なんで黙ってるの?」



やば、い奴だった。

正しい選択肢は……テレビ、だったか。

次の機会に、活かそう。

倒れた視界の全てが、赤く染まりその景色すら遠ざかって行く。

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