結果がヤンデレ
えっと、これってエロゲだっけ?
押し倒すとか脱ぎ出した所でいったいどうすりゃいいんだっての……ええい、ままよ!!
意を決して、『おもむろに服を脱ぎ出す』を選んだ。
そして時は動き出す。
「お兄さん……いきなりなんですか」
「いや、その」
「仕方ない、ですね。シャワー浴びてきます」
「あ、へ?」
深鈴は浴室に向かって行く。
え、えぇ!?エロゲでしたっ!!まさかの展開に驚き過ぎて言葉も出んよ!!
そして、綺麗になった深鈴に連れられて俺は。
朝までコースだった。
ちょっと、いきなり過ぎるけど!!いい経験をさせてもらいましたぁ!!……あれ?深鈴いないし。
なん、だろ。頭がぼーっとして、身体に力が入ら、ない。
「お兄さん」
声が出ない。視線を辛うじて移すと裸のまま、包丁を持って佇んでいた。
え、包丁?この、流れで……?
「これで、お兄さんと一緒です」
自分の身体を抱きしめて、ゆっくりとベッドで動けないままの俺に馬乗りになる。
一緒?繋がったから、か。
これでもう、俺と深鈴は離れられないと。
「誰かに取られるのも癪ですからね。
わたしの愛するお兄さん」
振りかぶる包丁を見ることしか、出来ない。
好きだから、愛しているから。誰かに取られるくらいなら。
自分で、奪う。
そんな歪んだ愛情が込められた刃が両手で振り下ろされる。
「誰にも、渡しませんよ」
冷たい刃が確実に心臓を貫いたという事が体内が熱くなる事で、証明される。
あぁルートエンドかと思ったよ。甘いなあ、緩いわ考えが。
身体から熱が消えて行く。
終わってゆく意識の中、最後に見たのは深鈴の悲しそうで憂いを込めた微笑みだった。




