狙われたヤンデレ
バイトとかよりおっぱいで殺されてしまった。
これから深鈴には胸の話題は避けるようにしよう。まぁ女の子に胸の話題を投げかけるほど、俺は腐っちゃあいないけど。
「俺を一生養ってくれ」
「もう、お兄さんたら。プロポーズですか?」
「もしそうだとしたら最低でしょ」
「お兄さんらしいですよ」
「俺のイメージってどんな……」
可愛く笑ってくれる。よしよし、さっきのような悲しい顔は見たくないからな。やっぱり深鈴には、いや。可愛い女の子には笑顔でいてほしい。
「お兄さん。質問が」
「はぁい。何なりと」
「千堂院うららときらら。ご存知ですよね」
何故その名前が……!!いやまだなにかを疑っている訳じゃあない。ここはとりあえず知ってるとだけ。
「うん、知ってる」
「なんか、あれですってね。跡取りが彼女らに決まったらしくて。親戚中から恨みを買い暗殺計画まであるらしいですよ」
「へぇー……へぇ!!??」
「びっくらこきますよね」
「びっくらこきます!?」
ダブルでびっくらこいたわ!!
暗殺とか……てか噂出てるよ!!暗殺なのかなそれって……定義が曖昧だよ。
「誰が、言ってたの?」
「噂好きの友達です」
「きょ、興味あるなぁー」
「友達もお兄さんなら興味を持つと言っていました。えっと、連絡先教えますね……」
珍しいな、深鈴が女の子との関わりを勧めている。それほど信用できる友人なんだな。
と、安心する俺の喉元に包丁が突きつけられていた。
「少しでも欲情するようなら、その元を断ちますからね?」
頷く俺に番号を見せてくる。
って、これ苗字なんて読むの?
「木森林ですね」
「苗字のクセが強いっ!!」
ツッコミを入れる俺に電話がって木森林か……木ぃばっかり……!!
『こんちゃす。センパイ』
「こ、こんちゃす」
『センパイ。あの二人と知り合いなんすよね?』
「まぁね」
『いやぁー残念ですねぇ。暗殺ですって。けらけら』
けらけら言う人初めて会った!!
そ、それよりだ。その情報が確かなのかと出所を聞いておかないと。
「本当なのか」
『はいっす。情報屋ですからねぇ、嘘は言いませんっす。ちなみにこの情報は後払いっす。3万頂くっす。深鈴たんにも許可取ってますっす』
「……マジかぁ。まぁ、いいや」
『また何かあれば。ちゃすー』
切れた。何というか個性が強いなぁ。
深鈴は俺を見て心配そうな目をしていて。
「大丈夫だよ。二人に忠告するだけ」
「……無理は、しないでくださいね」
おっと、電話。また木森林か……ってひーたん!!深鈴の前で出るには……なにかを察した深鈴は部屋から出てくれる。出来た妹だぜっ!!
「もしもしひーた『出るのが遅いなぁ。りょーたん。妹ちゃんとなにを話してたの?』
それから5時間ほどかけてヤンデレモードのひーたんを落ち着かせることには成功した、が。
もう日が昇っているのを見て、俺は最近一番の溜め息をついたのだった。




