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歩道があるじゃないか。行けとヤンデレ

弓月とは映画館で別れた。仕事らしいが……深鈴といい弓月といい大変だなぁ。

俺も何かしないといけないかな。とか信号待ちで考えているとクラクションの音が耳を打つ。



次の瞬間、俺は宙を舞っていた。



容赦なく力をなくした身体がアスファルトに叩きつけられる。身体のどこも動く気配はない。

霞む視界に入る腕も歪に曲がっていて確実に五体は無事ではないとわからせられた。

意識が、途切れる。死ぬ。

事故なのか、これは。



視界の隅に、バンパーが歪んだ車が停まった。

轢き逃げじゃあないみたいで、よかったよ。なんて冗談を話す気力は毛頭なく。

車から降りて来た誰かが俺の目の前で止まった。



「泣かせましたわね」



その一言で理解した。

そっか。これは、バッドエンドルートに入っていたんだ。うららを泣かせたから、きららに殺された。



「あれだけ、言ったのに。愚かですね。

まぁ。返事はありませんの?仕方ないです」



何事もないように去ってゆく。はは……轢き逃げだぁ。そんなくだらない事を思いながら静かに命を失う。



次の瞬間、瞼を開くと目の前にうららと伊澄がいた。

つまりここを間違ったのか。無難に行ってみたほうがいいのかな。『幼なじみだよー』を選ぶと少しだけ弓月は不機嫌そうだったが、うららは微笑んで伊澄はそんなうららをじぃっと見ていた。



「ほら。良也、映画までに色々やろうよ」


「そうだな。またね、二人とも」


「はいっ!!サラダ!!」


「さらば、な。あそうだ。うらら」



ポケットに入っていた小切手を差し出すと、うららと伊澄がきょとんとした表情で俺を見る。



「これ、気持ちだけいただいておくよ」


「え、本当に!?だって……」


「まぁこんな大金あるなら、嬉しいけどね。

気持ちだけ貰っておくよ」



うららは柔らかく微笑んで、伊澄は目を逸らしていた。

結局そのあと同じ映画で泣いた帰り道にはきららは現れなくて死亡フラグの撤回を確認してこの日をなんとか変えられられたのだった


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