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整いましたヤンデレ

目を覚ますと家の前で捨てられていた。

まだ生乾きの服が気持ち悪くて顔をしかめる。あれだけのことがあって残機を減らさずにすんだのだ。服くらいなんだって。



「……はぁ」



これで、全員が揃ったわけだ。

ヤンデレヒロイン5人、まぁ二人ほど面倒な状況なんだけども。

服を脱いで着替えてから、身体を伸ばして今現在を整理することにした。



まずは俺の義理の妹。石動深鈴。

俺を大切に想って、離さない。だから殺した。

家族想いだなぁ。と楽観的に考えている場合ではない。が、逆に裏を返せば離れずにいれば良いのだ。

深鈴の心配をちゃんと受けて、離れず無理はしない。これが当面の関わり方だろう。



そして幼なじみポジションの柏原崎弓月。

天才占い師。というなんともふわふわした設定をぶち込まれてはいるが、だからこそ恐ろしい。テレビを確認せずとも弓月が出したものが最悪ならば、それから守ろうとして先に俺をどうにかしようとしてくる。

本末転倒だが、大切にしてくれてるのだ。文句は言えない。



……生粋のヤンデレ。日比野陽菜。この子に至ってはただ一つだけだろう。気をつける事は。

監視されている間の女の子との接触だ。

どんな理由だろうと嫉妬し、恨み殺そうとする。

自分の未来より、俺との未来を見据えて殺す。

自分だろうが俺だろうが。



次々と現れた二人のヤンデレにも注意が必要だ。

伊澄心と千堂院きらら。

この二人はある一人を取り囲んていて、二人をどうにかするにはそこをどうにかしないと。

千堂院うらら。きららの双子の姉で伊澄の主人である。



揃ったは揃ったけど。やっぱり濃いなぁキャラが。それが魅力で買ったんだけど。

ふと脱いた服に目をやるとポケットから一枚の紙が落ちていた。こんな紙見覚えがないぞ。と手に取ると小切手だった。



「5000万……へぇ、ってごっせんまーん!!?」



もう一枚の紙には『申し訳ありませんでした。ほんの謝礼です。うらら』と書いてあって。

ほんの謝礼で5000万!?貰えないよ!?いや、殺されかけてるからこれくらい……って貰いすぎじゃあ!?



「お兄さんどうしました?」


「ごせ、ごせっ……」



小切手を見せても特に反応はなく。

それよりも、うららの文字を見て溜め息をつく。



「その女の人と何があったんですか?」



助けて選択肢!!と念じたら出た。なんて都合の良いタイミングだよっ!!ナイスゥー!!

『洗いざらい話す』『俺の恋人さぁと自慢げに語る』『おもむろに服を「脱ぐかよ!!」



どれだけ俺の裸見たいの!?てか脱ぎ出したらドスリなのはわかってるでしょうが。

うーん。別に悪い事はしてないしな。『洗いざらい話す』を選択だ。



そして俺は洗いざらい話した。

新しい友達のうららが出来たこと。良い顔はしなかったが、そして今朝拉致られて溺死寸前まで追い込まれたことなどを全部話した。



「お兄さん」


「はい」


「三人殺しますね」


「はい。ってなるかぁ!!」


「お兄さんどいて、そいつら殺せないっ」


「わぁー有名な奴だぁ!!深鈴クールになあれ!!」



結局それから深鈴の機嫌を直すのにだいぶかかって事無きを得た。

そして俺は正直過ぎるのもなぁと学んだのだった。

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