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ダメでしょ、ヤンデレ!!

つまり、へ?俺がうららを狙う変態野郎だと思ったから脅して目的を聞き出して腕をへし折ろうとしてた訳だ。

これは、どう判断するよ、俺。

俺と身長は変わらないくらいか。すらっとした身体に黒いスーツが良く似合っていて、鋭い眼光が俺を睨んで舌打ちをした。背中まである黒髪を結っていて、それを翻しながらうららの後ろに並ぶ。



「お嬢様に近付くゴミはボクが消す。お前がどんな目的かはわからなかったけど。いつか絶対にお前を殺す。お嬢様の笑顔はボクのものだ」



わーい!!ボクっ娘ヤンデレだぁ!!

でもこの子は記憶にない、つまりPVに出ていないキャラな訳だ。

……ちょっと待て。

俺はこの子も攻略しないといけないんだよな。つまり、既にうららにベタ惚れのこいつを俺に惚れさせなければいけないのか!?



「かぁー無理ゲーくせぇ……」


「良也さん、どうしました?だいぶ気持ち悪いですよ?」


「ぐぁ。直球は心に刺さる」



うららは伊澄に向き直り、指をさして。



「わたくしのお友達にご無礼はいけませんよ、心!!」


「ですが、お嬢様。こいつ見るからに怪しさ満点のドゲススカタン野郎に見えます」


「ドゲススカタン!?」



初めての言葉に驚くと睨まれた。さーせん。

でもですね。とその言葉を否定せずにうららは続ける。出来れば否定して欲しかったけども!!



「でも良也さんは初めてなんです。わたくしをイロハオエで見なかった方は」


「色眼鏡のことかな!?ちょっと器用すぎやしませんかね、うららさん!!」


「ほら、こんな無粋にツッコミを入れてくる方もいませんしね。皆さんわたくしが何を言おうとHAHAHA!!ですから」



うーんアメリカン!!ローマ字表記で笑ってくれても、うららは嬉しくなかった訳だ。

もっと普通に人並みに笑ってくだらない話をしていたかったんだと、語る。



「ですから伊澄、これからは良也さんを傷つける事をぎんじます」


「禁じてやって。吟じないで」


「……すい、ませんでした。石動さん」



おぉ物分かりがいいんだなあ。手を差し伸べてくるその手を握ると鋭い痛み。声を上げる間も無く離れる手を一瞬確認すると、何かが光っていた。

手の平には深い切り傷……カミソリかなにかを仕込んでたのかな。



「いいご挨拶だこと」


「どういたしまして」


「うんうん。これで仲良しですねぇ」



一切そんなことないぞうらら。

殺気のこもった視線を受けながらも、俺とうららは教室へ向かう。



「っ!?」


「どうしました?」


「なんでも、ない」



伊澄の殺気よりも冷たく、鋭い視線。

ひーたんがこっちを見ていた。

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