epilogue end To be next...
父さんに捕まった……ううむ。学校サボろうとしたのバレたかな。
「学校は」
「ん、えーと」
「サボり?」
「ま、そんなとこ」
「はぁ……お前は本当に俺に似たなぁ」
「誇らしいだろう?」
「はっ。いつかそれを後悔するさ」
父さんは、ゲームクリエーターをしていて。
昨日俺が買ったあのヤンデレのゲームも父さんが作って、シナリオは母さんが書いた合作だ。まだ、やってはいないけど。『やった』というか何というか。
「なぁ。父さん」
「ん?」
「あのゲーム。フィクションだよな」
「当たり前だろ。何回も死んでたまるかって」
「……その割には、登場人物の名前が一緒だったり、まぁ赤髪とかはないけどさ。母さんの髪も染めた茶色だろ?桜良と綾華の母さんはハーフの地毛として」
「偶然だ。いつも、母さんがキャラの名前考えるの苦手!!って言ってるだろ?」
「……それに、いつも父さんが一緒に仕事してるAIの名前もモノだったよな」
「偶然だよ」
「……まぁ、いいけどさ」
「深也」
振り向く俺に、父さんはゲームの中の『良也』みたいな笑顔を向ける。
「質問だ」
「何?」
「『病んでるデレは好きですか?』」
……本当に、体験談じゃないんだな?
俺は父さんがそう言うなら信じるしかないじゃんか。
「……まあ、悪くないんじゃないの?」
「……はっ。俺も、そう思うわ」
「何だよ。変なの」
「今更だろ。じゃ、あまり夜更かしし過ぎるなよな。息子よ」
「……わかってるって」
父さんは手を振って、自分の部屋に入って行く。
……もし。あれが父さんの実体験なら。
息子の俺だからこそ、深く体験したと言うことなのだろうか。
でも、父さんは生きているし。母さん……も、って随分前に「お兄さん」って言ってたっけ?
まぁ、いいけどさ。
俺には二人や、みんなの母さんが家族なのには変わりない。
「……現実は、小説よりも奇なり。なーんちゃって」
誰に冗談を言う訳でもなく、呟いて。
俺はまた父さんのゲームをやり始めた。
続編的な、感じらしいけど。まだプロトタイプだって言ってたっけ。
タイトルは『幼なじみが魔王の手先だと、魔法少女の俺だけが知っている』だ。
ーーーepilogue end




