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『3』 end 終わった俺の終わらない仮想現実

……目を、開けられた。

は?何故、俺は生きてる?死んでない。

みんなを殺してまで終わらせようとしたこのゲームが何故まだ続いている!?



『言いましたよね?』


「も、モノ?」


『どんな、罰でも受けると』


「言った、言ったさ!!でも、これは!!

俺はなんでまだ『石動良也』なんだよ!!!!」



俺の部屋で、ベットに寝ていたのだ。

そして見知った天井。数ヶ月見てきたのだ、見間違える訳がない。



「お兄さん……いつまで、寝て。あぁ起きてますね?おはようございます」


「み、深鈴?」


「はい。深鈴ですけど?」



俺が、殺した筈だ。

心臓を刺して。死んだところも見た。

何回も、見たんだぞっ!!



「……はっ!?」


「お兄さん?」


「嘘だ嘘だ……嘘だっ!!!!」


「お、お兄さんっ!?どうしました!?」


「残機が、99?終わった筈だろ。俺が、無理矢理に、みんなを殺してまで……!!!!」



深鈴が言葉を失っていた。

俺も、最早絶望と、深鈴に対する罪悪感で頭がどうにかなりそうだった。



『どんな、罰でもです』


「モノっ!!俺に、何をっ!!」


『簡単です。罰はこう。

罪悪感を抱えて、もう一度彼女達の好意を受けてください』



俺は、殺したんだぞ!?

なのにまた!?もう一度、彼女達の想いを受け止めろと?



「お兄さん?」



やめて、くれ。

俺はお前を、殺したんだぞ?

あんなに大好きだと言ってくれて、想いを伝えてくれた深鈴を。



「ごめん、なさい」


「お兄さん?わたしは怒ってませんよ?」


「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……!!」


『じゃあ。頑張って下さいね』



モノの気配も声もそれ以来聞こえる事はなかった。深鈴はいつの間にか消えていて。

俺は自分の喉を掻きむしって死んだ。



が、まだ。

俺は生きている。



彼女達を無残に殺した俺が。

のうのうと生きて、いる。あと98の命を持って。



脱力する俺の前に、文章が浮き出てくる。

俺は、それを見て……泣き崩れ、終わらない日々に絶望を感じたのだ。



『残機……98。

罪を償う為。エンディングまでをあと99周』



ーーーー『3』終わった俺の終わらない仮想現実


Bad end


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