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『3』止まらない暴走と終わる悪夢

……流石に二人の死体の側でこの血塗れの服は人の目を引くなぁ。試しに、聞いてみよう。



「モノ」


『はい』


「残機をいくらでもやる、服とか綺麗に出来るか」


『……五体ほどいただきますが』


「言ったろ。いくらでも、やる」



全身が心の血で染まっていたが、一瞬のうちに綺麗になる。これは便利だ。残機は二桁あると言うだけで、心強い。



「……多分家に行けば、どっちかはいるだろ」



ゆっくり、歩いて行く間に頭の中の計画というか返し方を確認して。

深呼吸を繰り返す。

問題は、弓月だ。単純シンプルに強いから。

不意打ちで確実に動きを止めて仕留める。



「ん」



俺の家の中に、二人の人影が見える。

……そっか、ここで。全てが終わるんだ。



手頃なレンガを手に取って、大きく振りかぶる。

いつもの経験だとわかっているんだ。



「良也おが「ただいま、弓月。さよなら」



家の扉を開けた弓月の頭にレンガを振り下ろす。

手の内でレンガが砕けて、弓月は地面に落ちて行く。……さっきの心もそうだった。

念には念を入れておこう。



レンガを何度も、後頭部に振り下ろして。

馬乗りになり頭がぐちゃぐちゃになるまで続けた。



「あー疲れた。モノー服」


『はい』



弓月のもので塗れたレンガを捨てて、肩を回す。

やっぱり人を殺すのって大変だなあ。よくも、何十回も俺を殺せたもんだ。

……覚えてないから、当然だけどね。



「お兄さん、おか、えりな……さい」


「よぉ。深鈴。あとはお前だけだな」


「何を、してますか?わたしと二人きりになろうとし訳じゃないですよね?」


「ああ。そうだよ。大丈夫、お前を殺した後にすぐ追うからさ」


「お兄さん、目が、怖いです」



玄関の鏡で自分の顔を見る。

……なぁんだ。いつもの、お前らの顔じゃんか。

目が死んで、焦点が定まってなくて、引き攣るような笑顔が歪だ。



「……はぁ。抵抗やめてな。すぐに、殺すから」


「お兄さん。目を、覚ましてくださいっ!!」



投擲される包丁を避けることもせずに身体で受ける。肩と横腹と太腿か……うん、致命傷じゃあねぇから大丈夫だろ。



「深鈴、甘いな」



ポケットに入れていたナイフを深鈴の肩に投擲する。……残機を減らして手に入れた神経毒を塗ってあるものが深鈴の肌を傷付ける。



「がっ!?……おに、い、さん……」


「大丈夫だよ。すぐ、にな」



刺さった包丁を、抜いて倒れる深鈴へと歩いて行く。

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