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『×』きらめく日々とうららかな明日へ

家を出ると、うららときららが待っていた。

軽く手を振ると笑顔のうららに頭を下げるきらら。並ぶと顔は似ているけれど、やっぱり違いはある。



「大丈夫でしたか?良也さん」


「うん、ありがとう」


「本当ですか?良也くん」


「大丈夫だっての、うらら」


「へ?」


「ん?」



何故かきららを見てうららと呼んでしまう。

でも、何だろう。今、目の前に居るのはきららじゃないと断言出来るのだ。

まぁ、姉妹の違いは目の色と胸くらいだけれど。



「正解ですっ」


「……は?」


「二人は入れ替わっていましたので……流石ですね良也くん」


「……試されたの、俺」



頷く二人。溜め息の俺。対照的だが、最後にはみんなで笑い合っていた。

で、何故俺を試したのか。



「決まってますわ。わたくし達のおっ……夫となるのです。双子を見抜くくらい余裕でやって貰わないと」


「全く、きららは可愛いですわ。良也くんならきっと大丈夫ですっ!!って威張ってましたから」


「せめて気張ってくれ」


「もうー二人してー!!」



楽しく談笑していたと思っていたら、いつの間にか双子で挟まれていた。大きな柔らかいもので二の腕が包まれて思わず息が止まる。



「……良也くん。前言ったこと覚えてますか?」


「どこの何だろう」


「きせーじじつ?だっけ、きらら」


「それ、です」


「ちょっ……」



反論しようとした瞬間、うららの唇で塞がれて。

反対側の腕から「お姉様っ!?」という裏返った声があった。

ゆっくり離す唇に指を当てて、という艶めかしいうららに見惚れている俺に。



「気に、入りませんわっ」



と、今度はきららとキスをする。

姉妹で感触の違う唇に頭が少しずつ馬鹿になってゆく。こんな美少女に連続でキスされるなんて普通の精神じゃ耐えられませんて。



「これで、逃げられませんわね。良也さん」


「逃げる?」


「またのらりくらりと躱すつもりなんでしょう?

だからわたくしとお姉様で「逃げないよ、もう」



一度逃げてる。しかも、さっきだ。

これ以上恥を重ねると、俺は俺を殺したくなって来る。それこそ避けないといけないから。



「え、ちなみにその、わたくし達どう思ってます?」


「……俺は、うららときららの事が」


「はい。ど、どうなんですの?」


「大好きだ。

だから、どんな環境でも二人と居られるのは本当に嬉しいよ」


「……お姉様、今からでも一夫二妻にしますか?」


「心が居ますから、このままで。

それにわたくし達のように、良也さんに出会えて救われた女の子もいます。奪えませんわ」


「ですわね、だったら」


「はい。それが一番かと」



ずるずるとどこかへ引き摺られてゆく。

行き先を見ると、リムジンの扉が開いていた。



「えーと、これはどうゆう流れなのかな?」


「良也くんとみんなで結婚はします、が」


「まずは正妻としてわたくし達が授かろうかと」


「……ん、んん?」


「「きせーじじつですよ、旦那様」」


「いやっ!?二人のことは好きだけどさ?

こうゆうのは段階を踏んで……」


「必要ありませんわ」


「そうですねお姉様」



笑顔がそっくりだ。

こんな意地悪な笑顔も、輝く笑顔も。

この大好きな二人と並んで生きていくには色々頑張っていかないと……。



とりあえずは、このピンチをどう乗り越えるか。

それを考える事に、しよう。



ーーー『千堂院うらら』『千堂院きらら』end

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