表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/117

令嬢サマはヤンデレ?

早起き良し、占い良し。これでやっと学校に行ける条件は整ったのかな。

前のターンで学んだ事をちゃんと活かせてるぞ俺!!いい傾向だぜっ!!



「すいませんお兄さん。日直なので先に行きますね」


「ごめんね、良也。朝練あるから」



一人に、なっちゃった。まぁ昨日とは違うのだ。こうなる事も考えていない訳ではない。が……こうなると一つの不安は神出鬼没のひーたんだ。

周りに気配はない。……とりあえず、行くか。

何となく学校の位置は知っていた。随分早く出てしまったからな、歩いて行くとしよう。



呑気に歩いていると、横断歩道の信号が赤なのに渡ろうとしている女の子を見つけた。

そこに向かってくる猛スピードのトラック。

こんなベタ展開ありですかぁ!!一目散に走り出して女の子の手を引く。



「危ねぇっ!!」


「きゃうっ!?」


「ばっきゃろい、気をつけ……」



スピード上げ過ぎてテンプレセリフを最後まで聞き取れなかったぞおっちゃん!!

何とかギリギリセーフ。女の子は地面に座り込んだまま俺の手を強く握っていて、視線に気付いたのか手を思い切りフルスイングで解いた。



「なんですの!?」


「こっちのセリフだ。危なかっただろ」


「あんなトラックわたくしに当たった途端パーンですわよ?」


「どんだけの強度なのよ、君は」


「君、って。あなた、わたくしを知りませんの?」



んー?同じ学校ではあるみたいね。リボンの色を見るに学年も一緒か。でも覚えがない。じゃあこの子は攻略対象ではなく、普通のキャラなのか。

光を集めたかのような明るい金髪に綺麗な青い瞳、整った顔に目を奪うナイスバディ。



「知らないなぁ。でも可愛い女の子だと思う」


「なっ……ブランチですわ!!」


「恐らくハレンチだろ。って誰がハレンチだ」


「わたくしは、千堂院せんどういんうらら!!あの千堂院グループの会長の一人娘ですわよ!?」



へえ。ああ、昨日テレビを付けていた時にバカみたいに提供してた奴か。どデカイ会社だとは思っていたけど。ん、でもどうしてそんな令嬢サマがこんな所に?



「社会科見学ですの。わたくしいつもボディガードなどが周りを埋め尽くしてまして。こうゆう庶民的な空気を吸いたかったのです」


「庶民的で悪かったなぁ。じゃあ、あれだ。俺が学校まで一緒に行くから。それで社会科見学って事でどうだ?」


「い、いいんですの?」


「おう。任せとけ」


「命、狙われますわよ」


「それは……慣れてる」



冗談だと思ったのか千堂院は笑う。可愛い女の子が笑うととても可愛いですなぁ。

えっと、こっちかな?学校だと思われる方に歩き出すと小走りでついてくる。なんだか普通のギャルゲーのような展開に少し戸惑ってはいたが。



「えっと、お名前……佐藤さん?」


「適当に多い苗字で当てようとしない」


「伊藤さん!!」


「違うっての」


「加藤さ「違うからね!?石動良也です、おはようございますっ」



笑いながら歩く俺と千堂院を後ろから誰かが見ていたのには、気付かなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ