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3 選択肢、死闘


 (さて、じゃあ先に進むか)


 と、その時だった。


 『取得経験値が規定量に達しました。進化可能です。進化しますか?』

 (うわっ………なんだ、知恵か。まだ慣れないな)


 まあ、それは置いといて。


 (俺、もう進化出来るの?)

 『進化可能です。進化しますか?』


 どうやら、もう進化出来るみたいだ。

 これは、進化しちゃおうかな~………て、ちょっと待てよ?


 (知恵、進化可能って事は、あとでも進化出来るの?)

 『はい、規定量に達した場合、いつでも進化可能です』


 ふむ、成る程。


 (じゃあ、規定量を越えてから進化したら、どうなるんだ?)

 『規定量を越えてから進化した場合、規定量で進化した場合よりも、強くなることが出来ます』

 (ん、何でだ?)

 『魔物は、経験値を代償に支払い、進化します。進化する時、その時のステータスから、進化先が発生します。なので、通常は元の種族から派生した種族へと進化します。また、保有している経験値が多い程、払う代償が大きくなる為、進化後の初期ステータスが大きく上昇します』

 (通常は、って事は、俺は違うのか?)

 『暴食と強欲によって対象の存在全てを奪っている為、進化先が通常よりも大きく変化します』


 成る程、俺だからこその変化な訳か。

 しかし、それなら今は進化しない方がいい気がする。

 現在倒したのは、キルバッドだけだ。

 これじゃあ、せっかくのアドバンテージを活かしきれていない。


 (結局、先に進むって事だな~)


 また、洞窟を進みだす。

 今度は、案外直ぐに広い場所に出た。

 ただ………………。


 (なんでこんなに?いや、確かに進化するには必要なんだけど、流石に死ぬんじゃ………)


 俺が出た場所は、上が見えない位高い、大きくくりぬかれた空間だった。

 そして、下は明らかにさっきのキルバッドと同等か、もしくはそれ以上の強さを持っているであろう魔物で埋め尽くされていた。

 恐らく、さっきのキルバッドはここから逃れられた、運の良かった奴なんだろう。

 まあ、俺に殺されちゃったけど~。


 (でも、先に進むにはここを進むしか無いんだよな~。どうするか…)

 『現在この魔物の群れに突入した場合、生存確率は0.000000001%です』


 うわ、マジか~。

 しかし、こんなほぼ死ぬのが確定な状況だと言うのに、俺は心の底からワクワクしていた。

 恐怖心?そんなもの、等の昔に無くしている。

 俺は、嬉々とした笑顔を浮かべながら(顔があるのかは分からないけど)、魔物の群れに飛び降りた。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 あれから、どのくらいの時間がたったのだろうか………………。

 俺は広い空間の中心で、一人?で漂っていた。

 葬った魔物は既に全て喰い終わっており、この場には血の痕すら残っていない。

 戦いは常に死と隣り合わせだった。


 息つく間もなく襲いかかってくる魔物達を、縛り、斬り、時には影に潜って避け、後ろに移動して不意をついたりもした。

 途中から記憶が無いけど、気がついたらこの状況になっていた。


 (は、ハハハ!ハー、はー、はー。あー、楽しかった)


 確かに疲れてはいた。

 しかし、それ以上に楽しさの方が勝っていた。

 体力も尽き、既に動くことは出来ない。


 (ぐっ!?な、なんだ!)


 だが、突然身体が熱くなり、身体が内側から破裂しようとする様な、強烈な痛みを感じた。

 声が聞こえる。


 『危険です。経験値が限界量を異常に超越しました。このままでは、あと1分で死んでしまいます。進化しますか?』


 な、あと1分で?そうか、なら俺は当然進化する。

 こんなに直ぐに死にたくは無い。


 『進化を開始します。』


 それと同時に、俺の意識は強制的に闇へと沈んでいった。





 『肉体の分解を開始…………終了しました』


 『経験値の測定…………終了しました』


 『スキルの反映…………終了しました』


 『称号の反映…………終了しました』


 『魂が耐えられません。【傲慢】により、強制的に魂を上位へ上昇させます』


 『肉体の再構成を開始……………終了しました』


 『進化が終了しました』


 『魔物への転生者、第一進化の特典ボーナスとして、ランダムにスキルが与えられます』


 『特典ボーナスの反映……………終了しました』






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