2 初戦、あっさり
(おお~、見える見える)
闇視を使ったら、目の前がうっすらだが見える様になってきた。
どうやらここは洞窟の道の突き当たりだったみたいで、一本道しか無かった。
なので、その道を進もうとしたんだけど……………脚が無かった。
自分の姿はよく見えないけど、脚が無いのは分かった、ついでに腕も。
頭があるのかも分からない。
とりあえず、進もうとすれば移動は出来るみたいなので、道を進む。
俺みたいに魔物もいるだろうから、不意討ちはされないように、隠密を使っている。
俺は緊張……………は全くせず、ワクワクと心を浮き立たせながら進んでいった。
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(何もない)
それが、俺の率直な感想だった。
あれから数十分は進んだけど、このトンネルは全然終わらないし、魔物も一匹も出てこない。
(魔物居ないのか?いや、それは無いと思うけど………あ、居た)
ようやく、暗闇の中で動くものを見つけた。
あれは、蝙蝠かな、大きさは普通だ。
(ん~、アイツのステータス見れないかな?)
『スキル【知恵】を使い、対象のステータスを表示します』
(ん、宜しく~)
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Ω種族=キルバッドΩ
ΩスキルΩ
種族スキル=【吸血】【隠密】【闇視】
通常スキル=【睡眠】【威嚇】【硬化】
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うーん、このスキルの構成だと、暗殺的な戦闘タイプなのかな。
種族もそれっぽいし。
(種族の詳細を表示)
『種族=キルバッドの詳細を表示します』
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□種族=邪悪種■キルバッド
邪悪種の第三進化種族。奇襲を得意とした、凶悪な魔物。
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(やっぱりか。それにしても、第三進化種族って)
こいつ、今の俺よりメチャメチャ強いじゃん?
いくら普通よりは強くされているって言っても、流石に三回も進化してる奴よりは弱いに決まってる。
まだ俺の隠密じゃ見つかると思うので、真っ直ぐにゆっくり近づいていく。
逃げるという選択肢は存在しない。
残りが20m位の場所でキルバッドがこちらに気づき、特に警戒せずにこっちに向かってくる。
まあ、格下なんだから、当然だろう。
キルバッドは俺の直ぐ目の前で止まり、俺に向かって突っ込んでくる。
(うわっ、い、痛……くない?あれ~?)
確かに今、キルバッドが俺の身体をつき抜けた筈だ。
だが、俺は痛みを全く感じず、俺の身体には傷一つ無い。
(どういう事だ?知恵、教えて~)
『魔影は影ですので、肉体を持っていません。その為、物理攻撃は無効化されます』
成る程、そういう事だったのか。
因みに、こうしている間にも、キルバッドは翼を硬化させて、刃にしながら攻撃し続けている。
さっきのスキルを見た限りでは、こいつは恐らくあるであろう魔法系のスキルを持っていなかった。
キルバッドの攻撃は全く効かず、次第にキルバッドは疲れて動きを一瞬止めてしまう。
その隙を、李影は見逃さなかった。
影縛を使い、闇に沈んだこの洞窟の至るところから帯状の影が伸びてきて、キルバッドを空中に縛り付ける。
流石のキルバッドも、疲れていた状態でとんでもない量の影を避けることは出来なかった。
影刃を使い、自分の身体から影の刃を出して、キルバッドを突き刺す。
キルバッドは、これであっさり死んでしまった。
(ふう~、なんかあっさり終わっちゃったな)
初の獲物なので、暴食を使ってみる。
すると、俺の身体が大きく広がってキルバッドを包み込み、俺が元のサイズに一瞬で戻る頃には、キルバッドの死骸は消滅していた。
あと、強欲は自動発動だ。
キルバッドを殺した瞬間、キルバッドから青白い半透明の火の玉の様なものが飛んできて、俺の中に消えていった。
さて、ステータスは何か変わったかな?
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Ω荒影 李影Ω
Ω種族=魔影Ω
ΩスキルΩ
大罪スキル=【傲慢】【暴食】【強欲】
美徳スキル=【忠実】【知恵】【慎重】
種族スキル=【潜影】【隠密】【闇視】【吸血】
通常スキル=【影刃】【影縛】【影移動】【睡眠】【威嚇】【硬化】
Ω称号Ω
加護=【転生神の加護】【暗黒神の加護】
者=【転生者】
達成=【格上殺し】
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(スキルはちゃんと使えたみたいだな~。スキルの詳細を頼むよ~)
『新取得スキルの詳細を表示します』
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○種族スキル●【吸血】
牙で血を吸える。
機能=一、生命力、魔力を回復出来る。
二、空腹を満たせる。
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○通常スキル●【睡眠】
寝て、回復する。
機能=一、寝るだけで体力、魔力が全回復する。
二、良く眠れる。
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○通常スキル●【威嚇】
強い敵意を周囲に感じさせる。
機能=一、恐れられる。
二、警戒心を抱かせる。
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○通常スキル●【硬化】
身体を硬くする。
機能=一、自身の身体を硬くする。
二、使用中は、使用している部分が動かなくなる。
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(ほう、これは…………)
かなり良いスキルを手に入れられた様に思える。
じゃ、次、称号~。
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◇加護◆【格上殺し】
格上を一人で殺した証。
機能=一、自身より強い相手との戦闘において、調子が良くなる。
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(これはこれから便利そうだな~、最初に遭遇した魔物があれじゃあ、俺の格上は一杯居るだろうし)
さて、これで見終わったかな~。