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最近始めたオンラインのゲーム『woワールドオンライン』はβ版終えて正式なリリースが開始された。
そんなことは知らず、何の気なしに僕はもうひとつの仮想世界にアバターを作っていた。
カタカタと音を鳴らすこのキーボードはそろそろ7年を共にしているであろう相棒だ。うん、今のはちょっとないな。
別にどうしてもこのゲームをやりたかった訳ではない。
ただ本当に偶然だ。広告があったからやってみようというだけであった。
ゲーム自体も長時間はやらない主義だ。疲れるからだ。
週に1回かそこらで、仕事が立て込んでいるときはふた月に1回ぐらいになる。
それでも、まあまあ楽しんでいる。
じっくりと遊べるのは魅力だ。いや、自由度も高いのが魅力だろうか。
キャラクターは各々好きや職業について熟練度をあげることができる。
自分の好きなように能力を極められるのだ。
そして、その最たるは生産職と言えるだろう。
何せチャットがマシンガンのように流れていくからだ。
「ポーションレベル42@3セット売り」
「水竜の革鎧240万売り個チャよろ」
「家~家いらんかねー」
こんな具合だ。