好いた目からは痘痕も靨って言うよな 作者: cloverの三ツ葉の方(二百or四百文字) 掲載日:2013/10/14 日傘をさした君の後ろ姿が見える。 繊細な黒いレースの縁取りに苦い記憶が蘇った。 ぎゅっと抱き付くと、小さな悲鳴。 「ゴメン」 俺の声に、ガチガチに固まった身体からふっと力が抜けた。 「もう。びっくりするでしょ? それに、遅刻だよ?」 首を捻って振り返る、彼女の顔を縁取る巻き毛。 昔揶揄ったのは若気の至りだ。 こんなに可愛いのに。 ゴメン、と再度謝って撫でると、彼女は染めた頬を背け、誤魔化されないんだからね、と呟いた。