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オンライン・プレイヤー  作者: 牛さん
ため息混じりのプロローグ
4/14

ため息の始まり。

なんだかんだで、投稿できました。

この4話までが、プロローグです。(ながっ)

「まさか、あたしが作ったキャラと対面出来るとは。世の中って摩訶不思議ね」

「まさか、私を作成した人物と会話出来るとは。世の中よくできていますね」


「話しをしたかったの? このあたしと?」

 ちょっと、嬉しそうだ。う。隠せ胸のトキメキ☆ 隠せるのか? いや、隠すしか無いのだ。


「そりゃぁ、もう」

 

 少し間をおいてから深呼吸。そうしてから、本心を悟られないように、別の本心を言い放つ。


「こんな能力値に、す・る・なー! もう少し考えてから、能力値は決めるべきだ! キャラクターを作成するということは、人の命を創造するということだ! その場のノリで、信仰心極振りとか、するなー! 筋力とか、体力とか、知力とか、他に融通が利くのがあるだろう! なんで、意味のわからない信仰心なんて!」


 がぁー! と吠える。


「しぃー! 声が大きい」

 綺麗な右手の人差し指で、口をふさぐジェスチャーをする。


ピコン。

【ユカリさんから、パーティー招待を受けました。承諾しますか?】


 頭の中で、軽い効果音が鳴り響く。私の顔少し前付近に、こんな文字が現れた。


 「はい」とか「いいか」とか無いけど、どうやって選択するんだろう? 

 まぁ、よくわからないから、心で拒否を主張。


ピコン。

【ユカリさんからのパーティー招待を拒否しました】


「こーらー! 拒否するなぁー」

 

 怒られてしまった。


ピコン。

【ユカリさんから、パーティー招待を受けました。承諾しますか?】


 はいはい。わかりました。まぁ、本音は、願ったり叶ったりなのですが。それを隠したいお年頃なのさ(30歳手前というのは公然の秘密だ)。


ピコン。

【ユカリさんのパーティーに参加しました】


“これなら、他の人に聞かれること無く話が出来るわね。私の名前はユカリ。よろしくね”


 おぉ。口が動いて無くても、意思疎通が出来るとは。これがパーティーチャットか。すごい。


”先ほどの能力値うんぬんだけど。人前では言わないように。そうのような、ゲーム設定は、ここの人たちは知らないわ。混乱を招くような言動には注意して頂戴ね”


”そんな世界設定があったんですか。知りませんでした。確かに、それを知った方々が、「俺たちは、所詮作られた存在だったんだー」とか、暴徒化する可能性もあるんですね。わかります”


”暴徒化するかどうかわからないけど、あまり、いい影響は出ないらしいわ。復活の女神様曰く、ですけどね”


 ん? 復活の・・・? はて。どいうことだろうか。なんか、嫌な予感がする。この世界に生まれて数時間。でも、この嫌な予感は、やばい感じだ。


”ふ、復活の女神様って、誰のことですか? まさか・・・”


 ごくり。聞き逃すまいと意識を集中。


”まさかの、まさかよ? そこに建ってる聖堂の(あるじ)様”


神様キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!!!


”復活の女神様というと・・・本当に?”


”あなたも、案外、頭難いのね。本当のことよ。あたし、これでも神様の一人なんだから! といっても、まだ、神様になって3時間ぐらいだけどね”


 えっへん! と、慎ましい胸を張っております。くはー。かわいいけど、その前に、疑問をいくつか聞いてみよう。


”えーと。神様というと、何の神様になるんですか? というか、神様というのは、ひょいひょいと、この世界に降りたっていいもんなんですか? ぶっちゃけ、冗談ですよね?”


”本当の事です。降りたって悪かったら、ここには居ないと思うけど。女神様も「私も3000年前には冒険者として駆け回ったもんよー」って言ってたし”


 衝撃の事実発覚。復活の女神様は、元冒険者だった!


”さっきも、そこの冒険者ギルドで、冒険者の人たちからお祝いされたしね。なんていったって、あたしは「冒険者の神」ですもの。ふふ。この世界に来てから、すぐに、主賓として、宴会に巻き込まれました。これこそ、巻き込まれ型の冒険というやつよね!”


”用法が違います。しかし、神様を目の当たりに出来るなんて、僧侶(プリースト)しては、うれし・・・い・・・かぎり・・・”


 やばいことに気がついた。


 私は、今のところ、特定の神様を信仰していない。

 私は、現在、目の前に居る女の子に作成された。


”へぇ。僧侶(プリースト)なんだ。そうか、そういえば、そうだった。私が作ったんだ。忘れていました-。ところで”


(ひざまづ)きなさい」”

「御意」


 すちゃっと、神様の御前に、綺麗に跪く。100点満点を自分にあげたい。


 え? なんで? 何の疑問も浮かぶこと無く、跪いたよ? え? え?


 気がついて、かーっと、顔が赤くなる私。


 ちらっと、ユカリさんの顔を、下からのぞき込んでみる。うはぁ。天使の笑みだよ(神様だけど)。天使と悪魔は表裏一体なのだなぁ、と痛感。


「立ち上がってもいいわよ」

「ありがたく・・・って、いやいや。思わず、パーティーチャットじゃないけど。もう、いいや、そんな些細なこと」


 こ、これは、もしかしたら、神と、その(しもべ)下僕(げぼく)の僕じゃないよ。念のため)の構図では無かろうか。


「僕って漢字、一人称以外だと、下僕のイメージしかないね。ふふ」


「心を読まないで頂きたい! プライバシーの侵害だ!」


 これは、危険だ。何が危険かというと、私の信仰心の高さだ。これは、何か命令があっても、逆らえないのでは・・・。いや、それが神に仕える聖職者なんだが・・・。なんか、怖い。


「のどが渇いた。なんか飲み物買ってきて」

「よろこんで!」

 

 近くの屋台にダッシュ。銀貨しか持ってなかったけど、なんか、屋台のおやっさんから嫌な顔されたけど、両替もしてくれて、飲み物と、あと、小さなクッキーみたいなモノも買っていく。


「あら、ありがとう。気が利くね」

「いえいえ。その言葉だけでありがt・・・って、なんでやねん。途中で、疑問に思えよ俺!」


 思わず、口調が変わってしまうぐらい、困惑してしまった。


「じゃぁ、次はねぇ・・・」

「くっ」


 思わず、身構える。何が来ても、抵抗してやるっ!


 そんなことを思っていたら、ユカリさんの顔が赤くなっていく。何を考えているんだ。怖い。


「次はねー。チューをしなさい」


 なんの漫画のオマージュだ! 抵抗(レジスト)DA! セービングスローはいくつだ? 


 くっ。がんばれ私。ぐぐっと。顔が近づいていくが、こらえる。ふんばる。

 R15だから接吻ぐらいはOKだろうが、する対象の年齢がなにかに触れそうだ。


「ちっ。これは抵抗するのか」


 かわいらしくない舌打ちが聞こえたが、なんとか抵抗(レジスト)に成功したようだ。経験点が欲しいぐらいだ。


ピコン。

【ユニークスキル:神への抵抗 を入手しました。

スキル説明:神からの命令を抵抗する際にプラス補正を得る。

スキル説明補足:プラス補正はスキルレベルに依存する。】


 字面的に、反逆者っぽいのは致し方あるまい。神への反逆。とかもありそうだ。


「冗談はさておき。これから案内よろしくね」


 冗談だったのか・・・。しかし、案内といわれても。


「先ほども、おっしゃりましたが、案内と言われましても、ぴんと来ません。どういうことですか?」


 意味わからん。案内という意味は知っているが、何をどのように案内するのか。


「え? 復活の女神様がおっしゃるには、今世界の常識や、地理的な事を、そばで教授する人物を派遣しておく・・・とかなんとか。あたしと同じ、黒髪黒目だから、見つけやすいでしょ? って」


「なるほど。ですが、地理とかは、なんとか知っておりますが、私も、3時間前に生まれたばかりです。常識が微妙ですね。先ほども、冒険者になろうとしまして、聖職者はなれないと言われ、しょげていたところです」


「そっか。ま、おいおい、知っていけばいいんじゃない? そっちの方が、冒険してるっ! って感じで面白そう!」


 まぶしいぐらいのポジティブシンキングですね。目に痛いぐらいだ。

 

「まぁ、とりあえず、冒険をしよう! もう、わくわくが止まりません!」

「いやいやいや。ですから、私は冒険者になれないんです。ユカリ様もなれないのでは?」


 そう、冒険者にならないと、クエストが受けられない。クエストを受けないと、後が怖い。神様だからこそ、その辺もしっかりしないといけないと思う。


「様付けはやめて。呼び捨てでもいいぐらい」


「いえいえ。少なくとも、私は、貴女様の僧侶(プリースト)。呼び捨てなどはできかねます」


「呼び捨てで、名前をいいなさい」


 はう。抵抗に失敗した。


「わかりました。・・・。ユカリ。これでいい?」


 やけになって、両手で、ユカリの両肩をつかんで、顔をのぞき込むように言ってやった!


 言って、お互いに赤面する。じゃぁ、やるな。バカップルって嫌ですね。


「あんた、って言うのも変ね。名前を決めましょう」


 ・・・。No Name(名無し)にした犯人が、どの口でものを言うか。


「うーん。UnKnown(正体不明)のノウンさん。決定-」


 あ、涙が。涙を拭く仕草をする男が一人。


「ノウン。まず、冒険依頼もらってきてー」

「いやいやいや。ですから、冒険者登録出来なかったんですってば。ですので、冒険者ギルドからの依頼は受けられないんです」


 何度このことを言ったのか。しかし、なぜ、そんなに冒険に・・・って、冒険者の神様か。そりゃぁ、冒険しないといけないよねぇ・・・。


「そうでした。そっかー。私も、冒険者登録できなかったけど、冒険者の神だから、その辺は優遇してくれるって、冒険者ギルドの本部長さんが言ってた気がする。たしか。もしかすると、たぶん」


 かなり曖昧ですね。大丈夫だろうか。


「依頼が受けられるなら、話は早いですね。早速、ギルドに行って依頼を受けに行きますか?」


「よーし。また、あの宴会場に行くのは、気が引けるけど、行きますかー!」


 何事にも元気に張り切る様は、見ていて気持ちがいいものだ。和む。


 眺めていたら、ぐぐぅーっと、両手を空高く挙げて伸びをした。ひとしきり伸びをしたその体勢で、両の手のひらを空に突き出すようにして、言った。


「我々に、七難八苦を与えたまえっ! なんつって」


 あはははー。と、こっちを見て笑いかけてくる。かわいらしいなぁ。


ピコン。

【クエストを受理しました。クエスト名「受難の日々」をスタートします。】


「「え゛」」


 こうして、文字通り、私の受難の日々が始まった。

ユカリ「ところで、第一話の最後、『長くて綺麗な黑髪を(略)』の黑髪の『黑』って何よ? 『黒』じゃないの? なにこの『黑』って」

ノウン「そーいわれましても。おそらく、執筆に使った銀河タブが原因かもしれません。気がついてからATOKを思わず購入したそうですよ。作者いわく」

ユカリ「ふーん。作者のミスね」

ノウン「はい。作者の確認ミスです」


すいません。

でも、文字的には、「黑」の方が、語源的に正しくて、


ユカリ「どーでもいいことね」


すいません。


他に、誤字脱字があれば、教えてください。

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