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オンライン・プレイヤー  作者: 牛さん
はじめての・・・冒険!
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はじめて・・・ではない冒険!

ノウン「伏線の回収という程でもない気がしますが」

ユカリ「そういわないで。カーミラちゃんのお話なんだから」

カミラ「とか言いながら、ユカリさんが主人公ですけどね」

 ユカリさんにとっての本当の冒険は、ノウンさんが死んでからでした。


 あの戦闘。レッサーデーモンとの戦い。私の魔法が何とか間に合ったまではよかった。敵の体勢を崩せたのだから。でも、ノウンさんが使っていた武器を無くしてしまったのが、最悪だった。


 レッサーデーモンに抱きつき、自身の光の鎧で焼き殺す。その案は良かった。でも時間がかかりすぎたのだ。あのまま、武器で倒していたら、もしかしたら・・・。


 いえ。やめておきましょう。過去の出来事にIF(もしも)は無いのだから。


 あの後、正気に戻ったロイエ様と冒険者とで後片付け。


 依頼者のユカリさんが、何も無かった、私の勘違いだった。と再度言ってくれたのだ。お陰で、ロイエ様は、公には、罪を裁かれることは無かった。でも、村人に対して行った洗脳のたぐいに、自分自身で苦悩なさった。


 だったらと、ユカリさん、ヴィック様にお会いする旅に出られたらいいのでは? と提案した。


 神は実在する。疑いようも無く。この世界に限ってだけど。


 ただ、高位の神は、人前には現れない。なぜなら、人の世に、神の存在は大きすぎるから。


 神は万能では無い。全知でも無い。それでも、人の力を凌駕する。そんな存在は、世を乱す存在だ。だから、表舞台から退場しているだけ。


 手順さえ踏めば、誰にでも、その姿を現すのだ。


 ユカリさんはその手順を教えた。それを彼自身の贖罪とさせたのだ。そして、本当のヴィック様の教えを弘げて欲しいのだと感じた。


 そうして、ロイエ様は、私の気持ちを知ってか知らずか「また、君と一緒に暮らすために行ってくる」とおっしゃったのだ。引き留める事なんて、今の私に、出来ようはずも無い。


 私は一人になった。両親は生け贄にされた。ロイエ様が知らないところで、すでに、レッサーデーモンによって。


 あいつは召還なんていらなかったのだ。悔しかった。悲しかった。やっと、親だと思えるようになったのに・・・。


 私の側に、ずっと、ユカリさんが付き添ってくれた。私の悲しみが癒えるまで。ユカリさんも、ノウンさんが居なくなって悲しいのに。


「ごめんなさい。ユカリさん」

「いいのよ、カーミラちゃん。泣きたいときに泣くのが一番なんだよ?」

「ユカリさんだって、ノウンさんが死んでしまってのに・・・。私だけ・・・」


 そう言ったら、ユカリさんの顔が少しだけだけど、陰が落ちたきがした。


「実はね。ノウンが私のために死んだの、これで二回目なんだ・・・」


 よくわからない。前回は、治療術士(ヒーラー)に甦らせてもらったのだろうか?


「前回もね。聖騎士化をして、私から守ってくれたの。前回はヴァンパイアだったけどね・・・」


 聖騎士化をして死んだら、体が残らない。だから、甦らせることも出来ない。じゃぁ、二回目って・・・? どういうこと?


「カーミラちゃんはこっち側・・・、えーと、PC側だから、言うね。誰にも言わないって約束してくれる?」

「もちろんです」

「うん。ありがと。ほら、私って、神でしょ? 実はね。カーミラちゃんには悪い気がして、言えなかったんだけど・・・、私、向こうの世界へ帰れるの。ただし条件付きだけど」

「!」


 息をのむ。向こうの世界。私たちが居た世界。本当の両親、友人がいた世界。そこへ帰れるって? でも、もう私は・・・。


「カーミラちゃんも、向こうへ帰りたいよね? そうだよね・・・。ごめんね、今まで黙ってて」


「いえ。いいんです。私、向こうへ帰れるとは思っていません。帰っても、私は向こうでは生きられない。私は、向こうで、死んでのだから。その記憶だってある。お葬式の記憶はないけど・・・。それに、この姿で帰っても・・・。もう、私はこの世界で生きるって決めたの。だから、いんです。ユカリさん」


 帰りたくない。と言えば嘘になる。でも、もう帰っても、私の居場所がないのがわかる。だったら、こっちで、ロイエ様が帰ってくるのを待つのも悪くないと思う。


「でも、ユカリさん。帰るってどうやって帰るんですか? 魔法か何かですか? それに、条件って」

「実はね。神には、力を蓄えることによって、ある程度の奇跡が起こせるようになるの。その力は、下世話だけど、信者さんの数ことよ。それが条件。その数が一定数たまったら、奇跡を起こして、私は帰るはずだった・・・」


「前回は、その奇跡でノウンさんを復活させた・・・。と言うわけですか?」

「厳密には違うけどね。その通り」


 あはははー。と空虚に笑う。


「具体的には、作り直すの。キャラクターを作成するみたいにね。記憶の混乱があるみたいで、私が初めて作った時の記憶とかが、ごちゃ混ぜになるみたい。でも、こちらに来てからの記憶は引き継がないようだったけどね」


 そう言ったユカリさんは、なんか一人にはさせられない雰囲気があった。


 そうだった、私の方が年上だったんだ。肉体的ではなく、精神的に。ここでお姉さんにならないといけないよね。


「そうですか。つぎの信者さま獲得のお手伝いいたしますよ。冒険者の神様?」

「うん。ありがとう。実は、一緒に来て! ってお願いしようと思ってたの」


 えへへへー。と恥ずかしそうに笑うユカリさん。


「信者獲得の旅ですね。今回は何人ぐらいですか?」

「うーんと、前回は100人だったの。それぐらいだったら、冒険者の皆さんになってもらったらOKだったんだけどねー。今回は1000人よ。一度信者さんになった人は、除外されるから、0からだけどね。あ、今回初めて会った冒険者さんが42人いたんだった。ということは・・・あと958人よ」


 多いか少ないのか微妙なラインな気がします。


「では、信者獲得の冒険に出かけますか-」

「おー! あ、私も信者になりますから、957人ですね」




 その後の冒険が大変だった。そもそも、ユカリさんが戦力外だったのだから・・・。一度、地下の大迷宮でスキル上げを手伝った。あぁ、私のマクロを使わせてあげたい。おっと、このことは内緒だったけ・・・。


 地道にスキル上げをしている最中でもクエスト「受難の日々」は続く。


 信者が増えるような機会があればいいのだが、そうは問屋さんが卸さなかった。レベルは上がるけど、信者獲得できるクエストが少ない。


 やれ誘拐されてた某国のお姫様を救うとか(お姫様だから改宗できなかった)に巻き込まれた。街道を歩いていたら、突然ドラゴンとドラゴンがけんかをしていて、仲裁役を頼まれたり(モンスターだから信仰してくれなかった・・・)。などなど。


 4年もかかった。信者獲得に4年! 


 私も12歳になりMPが増えた。まだまだ成長期なのでこれからも増えていくだろう。さらに、MPをちょうど0にすると最大MPが1%増える、というこのゲームの特性を利用して、眠るときにMPは0にして眠っている(というか、気絶して眠る)。才能にあぐらをかくだけでは、生きていけないのだ。おかげさまで、本気でテラフォーミング出来そうなほどだ。何回も。


 ユカリさんと出会ったヴェレギン。ユカリさんとノウンさんが出会った冒険者ギルド前。そこで、奇跡を起こすとのこと。派手では無いけど、とっても、暖かい奇跡。帰ることが出来るのに、帰らないで、好きになった人を生き返らせる奇跡。


 あぁ、あの後ろ姿、歩き方。本当だ。4年前に、私たちの前から居なくなってしまったノウンさんが、東の道からやってきて、冒険者ギルドに入っていった。


 ユカリさんに聞いていた通りだ。確か、冒険者になれなくて、ショックを受けて、そこの噴水広場の長いすに座るはず・・・。本当だ。うちひしがれている。変わってないなぁ。


「さ、いこっか」

「ですね」


 向こうも、こちらに気がついたみたい。ずっと、こっちを見ている。本当に、私たちのことを覚えていないのかしら? 


 

「貴方が、私の案内役さんですか? よろしくお願いしますね」


「申し訳ありません。よくわかりません。もう一度おっしゃって頂けますか?」


 これは、ユカリさんが決めた、最初に出会った時に話すきっかけらしい。ユカリさん、ああ見えて、恥ずかしいのかも。


 二人が言い合っている。


「あの、どこかで、お会いしませんでしたか? 貴方の声、どこかで聞いたことがあるのですが?」


 お? これはもしかしたら・・・?


 ユカリさん、そこで、突然顔をのぞきんで、あんたNo Name(名無し)? とか言ってる。あのユカリさん? その受け答えは間違っているんでは? 恥ずかしいのか怖いのか。


 そのあと、跪けとか、ジュース買ってこいとか、言っているユカリさん。ま、4年掛けたんだからこれぐらいは許して欲しい。ユカリさん楽しそうだ。


 そうして、パーティーに誘った。


「こんにちは。ノウンさん。カーミラです」

「はい、こんにちは。カーミラさん。あれ? 私の名前はNo Name(名無し)ですよ?」


 あちゃー。やってしまった。


「いえ。いいのよ。貴方の名前は、これから、UnKnown(正体不明)のノウンよ」

「あのー? それでは、Known《知っている》のノウンにしかならないんでは?」

「そうよ。それでいいの。私たちは知っているの」

「何を?!」


 あぁ、この漫才は久しぶりだ。聞いていて、思わず頬が緩む。


 そうして、ユカリさんが小説をノウンさんに読ませた。


 記憶が戻るきっかけになるかもしれないと、出会いから別れ(というか死)までの話を、ノウンさんの一人称小説で書いたものだ。あまり上手とは言えないけども。


「問題点がいくつかありますが、とりあえず二点」

「ふむふむ」


 また、漫才を始めた。仲がよろしいことで。


「それで、我々はこれから、どうするのですか? クエスト受けるにも、冒険者にはなれないのですよ。どうしたらいいのやら・・・」


「はい。その点は考えてあります。クエストの方が私たちを放っておかないんですが、すこしでも、この都市にある地下の大迷宮に潜りたいと思います。潜るだけなら、冒険者の資格はいりません。そこで、お二人に生き残る(すべ)を身につけてもらいます。せめて、自分の身は守って頂きますよ?」


 そう、また死なれては目も当てられない。まず、自衛ができるまで。つぎに、隣の人を助けられるまで。そうして、本当の意味で、ユカリさんを守ることができるようになってもらわないとね。


「さ、行きましょう? 時間が少しでもあれば、鍛錬して、いつでも困難に立ち向かえるようにしておかないとねっ!」


 この瞬間を4年間待ったね、ユカリさん。ようやくスタート地点に立ったね。ユカリさんの笑顔が気持ちいい。ノウンさん? この笑顔をしっかり守ってね!


「さぁ、まだ見ぬ冒険へ!」

「「おー!」」


 ノウンさんと声を合わせる。


 さ、冒険は、再び始まるのだ。クエストは待ってくれないのだから!

ノウン「一端これで終わりとなります」

ユカリ「次の話は?」

ノウン「勉強不足がわかったので、アウトプットを意識して、インプットしてきまふ。ですってさ。作者曰く」

カミラ「そう。当てにならないわね」

ユカリ「そうね」

ノウン「ですね」


なにはともあれ、ありがとうございました。


次は、プロット作成してみたり、もうちょっと、戦闘入れてみたいと思います。


その時にお会いしましょう。


最後までおつきあいありがとうございました!

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