世界は移り、戸惑うキラリ⭐︎4
◇ぷれいやー1 キラリ おんな 16さい
そうび
ふく:いもじゃーじ
ぶき:すで
どうぐ:すまほ べんとう
◇ぷれいやー2 ヨシオ おとこ 30さい
そうび
ふく:はでなじゃーじ
ぶき:きんにく こんきょのないじしん
どうぐ:ーーー
◇ぷれいやー3 ハヤミ おんな 17さい
そうび
ふく:かわのふく ふくろうのぺんだんと
ぶき:まどうしのつえ
どうぐ:ーーー
「日本大使館?」
そう聞いて私は落胆した。先生はまだここが地球上の何処かの国だと思っているのかと。
ロドリゲス曰く『日本大使館なんて異世界に存在しねぇ!』
「僕がこの村を見た所感だが、ここはアジアの国のどこかだと推測する!日本は150の国に大使館を置いてある!大きな街へ行けば必ず大使館はあるはずだ!そこで我々は迷子の旅行者として保護してもらうんだ!」
ここにそんな物は無い……と思ったけど、在り得ない話じゃない、かも。
仮説だけど、もしかしたら私たちは、異世界に転生したのではなくて、あの巨大地震によって生まれた空間の裂け目にでも吸い込まれ、遠くのアジアの国に飛ばされたのでは?
かつてこの村が、第二次世界大戦中の日本の領土の一部だったとしたら?
今でも彼らの間で日本語が継承され、使われている…とか、
………ハッ!
まさか、魔王軍はこの国の政府の隠語で、勇者は革命を企てる反乱者を意味するのでは!!!
己の突拍子のない仮説に自分で縋り付いているのは分かっている。
でも、そうしなければ自分を保てないほど私の精神は参っているのだ。
「キラリ!戻れる方法があるのね?」
ハヤミの表情が明るくなった。
「その、タイシカン?て言うの?がよくわからないけど」
ロドリゲス曰く、『俺たちが知ってる固有名詞の一部は通じない!』
やはりハヤミは大使館を知らないのか。
「ハヤミ君!では大使館がありそうな大きな街を知らないか?」
「私はこの村からあまり外には出たことがありませんので…。でも、長老なら知っているかもしれません!
ただ、あの方はこの時間は家でお休みのはずです」
今は早く情報を知りたい、でも私たちの都合で寝てる村の長を、ましてはお年寄りを起こすのは道徳心に反す……
「叩き起こしましょう!」
ハヤミは力強く言った。
ええ!?起こすの!?しかも叩いてまで!可愛い顔して容赦ないなこの子。
すかさず「助かる!」と吉岡先生
アンタ、そこは止めろよ!
「ま、待ってふたりとも、流石にそれは、明日聞けばいいのでは」
狼狽えた私が二人を止めようとするが、ハヤミは立ちあがる。
「私たちの村の都合で呼んでしまった二人が困ってるのなら、私は長老を無理にでも起こして知ってる事を聞き出しますよ!」
「案内してくれ!ハヤミ君ッ!」
だから、遠慮しろ!お前本当に教師か!?
てか、この子もたいがい恐ろしいな…二人の熱意に身を竦ませたその瞬間…
バリバリバリバリ!ズガガガーッッ!!
閃光と轟音が鳴り響いた!
「ひゃああぁぁぁ!!」
突然の出来事に、私は頭を抱えて目を閉じ、身動きが出来なくなった。村人達の慌てふためく様子は声で伝わった。
「敵襲!敵襲ぅ!魔王軍だぁぁー!」
村の入り口の見張りの叫びで瞼を開く
「そんな馬鹿なっ!!」
「うわぁ!起きろ!」
「女とこどもは隠れろ!」
「急げ!武器を持てぇ!」
蜂の巣を突いたような騒ぎとはこの事かと、さっきまで和気あいあいと語り合っていた村人達が慌てふためいている。
「そんな!?…来るのが早すぎる!」
ハヤミは杖を持って外へ飛び出す。
「ハヤミ君!」先生もすぐに追う仕草を見せたが、動けないでいる私に気づいて、ここに隠れていろとだけ言い残し、ハヤミの後を追った。
窓の外では、ゆらめき動くオレンジ色の光が見えている。




