訓練
次の日教室に入り椅子に座りしばらくすると先生が来て言った
「昨日言っておいたから、コードネームは考えてきただろうから、じゃ1人ずつ前に立って自己紹介しろ。」
次々と黒板の前に立って自己紹介をしていた。ちゃんと聞いてはいたのだがあまり名前は覚えられなかった。そうしているうちに私の番がきた
「私は藍玉。えっと、?よろしく」
なんだかやばい自己紹介になってしまった。そんなことをしている内に自己紹介も終わって先生の説明が始まった。
「これ、1人一台渡す事になっているから。後ろに回して」
配られたのはスマートフォンのようなものだった
「これはここで生活していくための全てが詰まってる。これで買い物も出来るし、とにかく優れ物だ」
ふぅんと思いながら画面を開くと、自動で顔認証され、生徒No.536認証完了と表示された
つるっとした画面を触ると画面がさらっと動くのだ。スマートフォンというものは知っていたがこれまでとは、恐るべし。と、藍玉
「あと説明することだがスマホの中のアプリの依頼一覧なところを押すと依頼がありその難易度に応じてポイントがゲット出来る。そのポイントの多さで総合順位を決める」
「つまりは依頼を沢山受けた方が総合順位が上がるというわけだ」
と簡潔に辰砂が言い放った
「あぁ、あと近ごろフェスがあるそうだから出たい奴は出るといい。総合順位は依頼を受けたポイントで競うから国への忠誠が確かめられるが、実力はそうでも無い。実力を出したいのならフェスに参加しろ」
と辰砂が言い、なるほどなぁと思いながら授業を済ませた。藍玉にとって、授業というのはとても新鮮だった。
早速だが藍玉はフェスに参加する事にした。スマホを動かし、フェスアプリを開きフェスに応募した。
さっそく訓練しようと思い。藍玉は地図アプリを開き、寮を飛び出し訓練場に向かっていた。
「今から訓練?」
ニマッと飄々とした声で誰かがいった
はっ、と見ると目の前には金髪の女が立っていた気配は常に消しているし、相手も気配を絶っていた
「貴方、何者?」
「そんな、こわーい声で言わないでよ」
ふざけている様な声で言うさらに続けて
「私は橄欖、せんせいしてるの」
とは言っているものの確証が無いため念の為警戒しておくに越したことはない
「あー、疑ってるな?」
橄欖責め立てるような口調で言う
「まぁまぁ、そんな睨まない、睨まない」
橄欖が茶化すように言う
藍玉はジーっと睨んでいた
「まぁ、どうせ訓練なんでしょ、だからせんせいが手伝ってあげる」
と軽薄な声で橄欖が言う
「さっきからうるさい。手伝うんだったら、対戦相手になって」
私がそう言うと橄欖は
「最初からそのつもり〜」
と言った
訓練所に着くと橄欖は勝手に説明を始めた
「ここが実習部屋ここはとにかくリアルな実戦体験できる!まぁ口で説明してもいいけど実際に体験した方がわかりやすいだろうからやってみよっか!」
「とか言ってめんどくさいだけだろ」
と藍玉が言うと
「バレたか」
とふざけた声で帰ってきた
服などの至るところにセンサーを取り付けこれで撃たれたところをセンサーが感知し、AIが撃たれた所から判断したりして総合的に全体の動きの評価をするらしい
「準備出来た」
と藍玉が言うとすぐさま
「出来た〜?もー、遅いんだから」
すごく浮ついた声で橄欖が言っていた
「初めてなんだから勘弁してください」
と藍玉が言うと
「んもー分かった分かった。じゃっ、始めるよ」
と心底どうでもよさそうに橄欖から返ってきた
訓練が始まった。
訓練所は街のようになっていて、どうやら本当に実践のようにやるらしい。そんなことを考えてると
「そーんな、ぼーっとしてていいの?」
とテンション高めな橄欖の声が聞こえてきた。後ろを見ると橄欖がものすごい勢いで突進してきていた。完全に舐めてかかって来ている
藍玉が気づいた瞬間"バン"という銃声が響き渡った。
私はそれを見て避けた
「へぇ、避けれるんだ」
また橄欖が言った
そしてまた銃声"バン"
それをスルリと避ける
そうすると橄欖がグイッと私の方に下から近付き、撃とうとした。
私はそれを見切り銃を構え、"バン"撃った
それを橄欖は間一髪で避けた
「あっぶな〜!」
橄欖が言った
「君、すごいね〜!何が凄いのかな!」
と言って動き出す。
橄欖が"バン"バン"と銃を乱射する。だがそれは私の手足を確実に狙った物だった。
それを私は避ける、避ける。避け続ける。すると突然顔を狙い、撃つ
避ける
「目か、目がすごいのか!」
橄欖はとても楽しそうだ
「はぁ、そんなに喋って、余裕そうにしてるとやられるよ」
私が言うと
「大丈夫、大丈夫〜!私強いからさー」
とか言っているのでむかつく
橄欖が近づく。
私の目を狙い、撃つ
私は頭を右に傾けそれを避ける
「はぁ〜避けてばっか!なんだか飽きてきちゃった!」
橄欖は無邪気に言い放つ
そもそもこれは戦闘なのだ
なのに飽きる?
ありえない
理解できない
目の前から橄欖が消えた。
辺りを見てもいない
「ゆだんしてるからだよ〜!」
幼稚に橄欖が言う
上から聞こえた気がした
上を見ると
「おそーい!」
"バン"
あたってしまった
今のは致命傷
最悪のミスだ
確実に実戦なら死んでいた
目の前に橄欖が現れ
「あたしの勝ち〜!」
とにぃーっと笑い親指を立てて言った
その後は準備室に戻り、センサーを全て外した
「はぁ〜楽しかったー!それじゃ、!また会おうね、藍玉ちゃん」
無邪気に言って爆速で帰った
本当に人間か?
「てゆうか、な、名前」
私に自己紹介した記憶はない
そういえば先生って言っていたなこの為にわざわざ調べたのか?
そのあとは寮に戻り、疲れたので寝た
「はぁ、どこに行ってるかと思ったら。生徒と遊んでた!?訓練して!?、ほんと呆れる。しかも私の生徒に!」
辰砂がものすごく怒っている
「まーまー!落ち着いて落ち着いて、ね?」
橄欖はものすごく焦っている。さすがにやばいと感じたらしい
「それで藍玉の様子は?」
まだ怒っている様だ
「あー"殺人鬼"ちゃんね」
「何か一つが秀でているだけの"凡人"だね!」
その答えに
「は?」
思わずそう言ってしまっていた
「ん?だから、"凡人"」
凡人?そんなはずはない
だって藍玉は20人以上殺した"人殺《化ケ物》し"だぞ?
そんな奴が凡人?そんなはずないだろう?
辰砂は混乱していた
ここで辰砂はおかしなことに気づいた
橄欖はそもそも普通ではないのだ。そんな橄欖に普通と言った所でわかるはずがないのだ
辰砂は納得した
「おーい!話?聞いてるー?」
辰砂がそう考えているうちにどうやら橄欖が話しかけていたらしい
「ごめん、ごめん、で?何の話?」
辰砂があわててそう聞くと
「もー!辰砂ちゃんたら、なーんにも聞いてないんだから!」
とすこし怒ったようなふざけてるような声で言っていた