百田尚樹氏は「30超えたら子宮摘出」をなぜ口にしてしまったのか?
筆者:
本日は当エッセイをご覧いただきありがとうございます。
今回は日本保守党党首でもある小説家の百田尚樹氏の「ヤバい少子化対策」について触れていこうと思います。
質問者:
この間の第50回衆議院選挙で国政政党の要件である「得票率2%」を達成したのに――どんな発言をしてしまったんですか……?
筆者:
記事に書いてある内容をまとめますと、
百田氏は「少子化を覆すには社会構造を変えるしかない」と指摘し、
「これはええ言うてるんちゃうで」「小説家のSFと考えてください」と複数回前置きした上で、
「女性は18歳から大学に行かさない」
「25歳を超えて独身の場合は、生涯結婚できない法律にするとかね。こうしたらみんな焦る」などと発言しんです。
また、日本保守党の有本氏が「子どもを産むには時間制限がある、ということを子どもたちに教えるべきだ」と指摘すると、百田氏は「30超えたら、子宮を摘出する、とか」と述べていました。
この発言に対し、有本氏に「やめなさい、こら。SFでもそれはいくらなんでも」と制されると、
「時間制限をわかりやすく言ったんやけどね。そういうことがあると、もっと深刻になるんですけどね」と説明したんです。
百田氏は翌11月9日、自身のX(旧ツイッター)で「あくまでSF小説としての仮定としての一例としてあげた話。現実にはあり得ないとも断っている」と正当化しましたが、
様々な新聞記事・週刊誌にこの問題があげられたことから流石に危機感を持ったのでしょう。
11月10日の名古屋市での街頭演説で「やってはいけない、ダメなことということで例を挙げたが、どぎつい例だった。聞いた人が不快に思うということで発言を撤回して謝罪する」と述べたというのが一連の流れとしてあります。
質問者:
えぇ……流石にそれは価値観として受け入れられる人は少ないと思います……。
筆者:
今回はこの発言が異常なところを改めて僕なりに4つの視点で分析しました。
まず1点目は「男尊女卑的な発想」です。
「少子化対策として強制的な年齢制限を設ける」
という事が施策の様なのですが、その賛否を置いておいても、なぜか知りませんが女性のみに強制的な措置を施すところが謎です。
男性に対しても同等の処置を取らなければ、今の世の中整合性が取れません。
百田氏の発言から応用するなら男性も18歳で結婚しなければ大学に行かせないことや、30歳で男性器を切除するなどの処置です。
質問者:
確かに何で女性にだけそんな強い措置で、男性には言及しないのか謎ですよね……。
そして、女性にとって子宮摘出だなんて命よりも重いことだと思います。
閉経されて産めなくなっても摘出するだけで喪失感が大きいという話もありますからね。
筆者:
どちらかというのであれば男性器がある方が性犯罪の上で脅威でしょう。
それだって何も犯罪をしていない方に対する処置としては人権侵害ですけどね。
いずれにせよ、女性のみに対する重すぎる処置だと言えます。
質問者:
そもそも、「LGBT理解増進法案」で純粋な女性が守られていないことから立ち上がった党の筈なのに何を考えているんだろうと言う感じですね……。
筆者:
「ビジネス保守」の可能性すら出てきますね。それか「保守」するモノがちょっと違うのかもしれませんけどね。
2点目の問題としてはそもそも30歳前後で男女ともに「焦る要因」があるということです。
一般的にまともな人であれば30歳前ぐらいから結婚していきます。
「○○ちゃんは結婚したのにアンタはまだ……」みたいな「親の小言」も出てくることでしょう。
これは、やっぱり生物学的に40歳を前にすると子供を作ることがかなり難しくなってくるからです。
そうなると誰しも逆算して30代ぐらいから焦って婚活を始めたりするわけです。
だから別に政府からの強硬的な措置が無くても今の時点でだって十分に「年齢的駆け込み結婚」というのは起きているという事です。
ただ、以前よりは都会に出ている方が多いですし価値観の多様化から「コミュニティによる強制」と言う点が薄まっているだけに過ぎません。
質問者:
確かに現実問題としてはそうですよね……。
周りが結婚しだしたり、子供の話をされると憧れる方も出てくると思います。
そうなると百田さんはそもそも見ているベクトルが違うという事なんでしょうか?
筆者:
そもそも百田氏は「永遠のゼロ」が400万部以上売れるなど大ベストセラー作家です。映画化もされましたしこの作品の関連収入だけで10億ぐらいあってもおかしくはありません。
つまり、お金に困っていない「天上人」なのです。
普通は「口に出すことすら憚られる」と思える内容なのに、そう思われないところも国民に寄り添えない感性の持ち主ではないか? と疑義を生じざるを得ません。
政治団体を立ち上げたのだってこうなると「金持ちの道楽」と言われても仕方のないと思います。
単純に未だに名声や再生数が欲しいばかりに「とんでも発言」をして目立とうとしているだけなのかもしれませんけどね。
反倫理的なことを目立っても何の意味も無いという事です。
質問者:
筆者さんは、元々選挙に出ている方は庶民感覚や庶民に寄り添う心が足りないというご意見でしたが、まさにその通りと言うわけですか……。
筆者:
百田氏はまさにそう言う政治家の筆頭格ではないかと僕は思います。
3点目はそれに関わることですが、「国政政党党首」であることから一挙手一投足が注目されることがアタマから抜け落ちていることです。
質問者:
確かにSFなどの仮定のお話だったとしても、「百田党首はこういう発想なのか……。他の党員もそうなのかな?」って党全体にすら波及しますものね。
筆者:
やはり党首になり立候補した時点である程度のリスクを背負っているという事を理解するべきです。
日本保守党の党員数は5万人いると言われているのですが、質問者さんがおっしゃる通りその支持してくれている全員のイメージの悪化にも繋がりかねません。
外国人の不法滞在問題や防衛に関することは良いことも主張しているのですが、それらが軽々吹き飛ぶほどの内容だと思います。
不法滞在問題について指摘している僕としても「一緒くたにされる」可能性があるためにいい迷惑なんですよ。
東京都知事選挙での政治団体「つばさの党」が問題を起こした時にも申し上げましたが、
過激なパフォーマンスや発言をして目立とうとしても、それが倫理に反しているような内容であれば全ての主張を台無しにします。
そして、同じ主張をしている人の足を引っ張るという事を理解した方が良いですね。
質問者:
確かにその人の発想全否定したくなる気持ちまで出てきまいますからね……。
筆者:
基本的には、外に対して悪影響をもたらさない形であれば思想信条は自由だと思います。
しかし、「国政政党党首」という政治的にも社会的地位がある方だと小説家として「作品」として表現したとしても物議を醸す可能性があることを理解した方が良いように思います。
最後に4点目はそもそも「この考えが受け入れられない」と思うのであれば発信してはいけないと思います。
SFだから~と言いながら発信するのは逃げ道を作っているとも思え、卑怯とも言えます。
また、全く考えていないことが突然口から出るということは無いと僕は思っているので、「百田氏が普段から考えていること」だと思った方が良いでしょうね。
質問者:
百田さんはどういうお考えがあるんでしょうか……。
筆者:
結局のところ他の作品からも感じられますが「お国のために国民は犠牲になれ」と言う発想が根底にあるような気がします。
僕は全く真逆で「国民が犠牲にならないように政治家が体を張る」と言う発想がむしろ欲しいところです。
質問者:
そうなると少子化対策はどうしたら良いんでしょうか?
筆者:
かつては働き手として子供を必要としていたり、
現代ではSNSやアニメなどで「理想が高くなった」という事も影響として大きいだろうと思います。
でも現実に結婚をしてもいいと言う方は9割いるわけです。それでも半数ぐらいしか結婚できていないのが現実です。
総務省などの統計データでは結婚をしない要因でも子供を1人産まなくなる要因としてもお金の問題が1位か2位を常に占めています。
今の世の中、結婚にも子育てにも手間もお金もかかるんです。
女性からしたら年収500万円未満の男性は「眼中にも無い」と思います。
自分が出産育児で働けない間に稼いでくれる男性で無いとお話になりませんからね。
質問者:
現実的に見たら育児放棄することは考えられないのでお金の話になっていきますよね……。なるべく子供には幸せになって欲しいと思うでしょうし……。
筆者:
この少子化対策に対して「政治家が体を張る」というのは、現在財布を握っている財務省に対して恐れることなく、若者世代に対して減税を訴えることや財政法4条の改正を行う事だと思います。
ネーミングだけの小手先の「異次元の少子化対策」では今年また出生数は減少します。ついに、70万人を切ると言うところまで来ているそうですからね。
これまでの延長線上の手段では目的は何一つ達成できず従来の日本人は消滅し、外国人に置き換わることでしょう。
質問者:
それはあまりにも悲しすぎますね……。
筆者:
元々、「日本人置き換え作戦」だとしたなら“計画通り”なのかもしれませんけどね。
意図しているしていないに関わらず、現在の政府の行っている「自称少子化対策」には反対していこうと思いますね。
という事でここまでご覧いただきありがとうございました。
今回の百田氏の少子化対策である「制度で無理やり制度で結婚できる年齢を区切ること」は全く無意味であり、むしろ今も影では機能していること。
政治家が体を張って財務省を改革していく必要があることをお伝えしました。
今後もこのような政治・経済について個人的な分析と意見を発信していきますのでどうぞご覧ください。