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魔法学校の試験 4 シリル奮起

シリルくんがかっこいいシーンです。


 「シリルさん、私たちも行きましょう」

「……そ、そうだね……」

シリルと私は他の受験者よりだいぶ遅れてスタートした。


 迷路には宝が埋まっている。だが、それを見つける術が分からない。魔法で探すのか、ヒントが隠されているのかも。


迷路は複雑な作りになっており、分かれ道がいくつものパターンを生み出し、一つ一つ通って行ったら時間切れになるだろう。私たちは宝の手がかりを探しながら、難解な迷宮を進んだ。


「………」

「………」


と、その時、私が角を曲がった瞬間……


「……!危ない!!」

シリルが叫んだ。目の前には、苔むした石の塊が動いていた。目が赤い。敵対心が剥き出しの様だ。


「……シリルさん!」

「ゴーレムだ!ビクトリアさんはさがってて!!」

殺伐とした雰囲気が周りを飽和する。


シリルは懐の懐中時計を取り出し、竜頭を押すと時計の文字盤を露出させ、それと共にあたり一体を鋭い冷気が満たす。



『Basic Ice!!!《基礎 氷》』


シリルが呪文を唱えると、時計の針がくるくると互い違いに廻転(かいてん)し、氷が空に舞う。それにより、ゴーレムは凍りつき、それはまるで氷の結晶のようだった。


あまりにも寒さに私は膝から崩れ落ちた。シリルが指を弾くと、ゴーレムの氷はたちまち、弾け、四方八方をつららの様に散った。


「大丈夫!?」

シリルが近寄って来た。不安そうな表情を掲げ、齧歯類(げっしるい)の瞳の様に、心配そうにこちらを見ている。

「怪我はない?」

「大丈夫です」

「よかった……!ぼく、人が傷ついているの見てられないんだ……」


ゴーレムの倒した跡から紙切れが落ちていた。

開くと、私たちのグループの宝の道が記されていた。


「……。時間がない……」シリルが懐中時計を見ながら言った。

「……急ぎましょう」

私たちは先を急いだ。










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