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魔法学校の試験 2 謎の美教師フォンセ

ここからが面白くなります!

乞うご期待!

 

 私は分厚い問題を(めく)り上げた。問題の内容は中学程度の国語と数学、難関だったのは魔法史だ。

私はこの世界に来て間もなく、魔法の()()()も分からないのに、こんなの分かるはずなかった。私は直感に任せてペンを動かした。


鐘のチャイムが鳴った。

 「そこまで!ペンを置いて下さい。」


先ほどの亜麻色髪の少年は頭を()きむしっている。どうやら問題に苦戦したようだった。


「今から私が問題を回収いたします。そのまま着席していて下さい。」


「以上で午前の筆記試験は終了です。お疲れ様でした。各自、昼食をとって午後に臨んで下さい」


私はまた誰かに話しかけられるのが嫌だったので、裏庭に移動した。


途中、ペア表があったので確認してみた。“シリル”と言う名前の人、中性的な名前なので男性か女性か判別できなかった。


 中庭に出ると大量のバラの花が咲き乱れており、香りが鼻を抜ける。


丁度いいベンチがあったので腰をかけ、ジョウンから持たされた袋の中を開けると、チーズとレタスのサン

ドイッチが入っていた。


簡素な作りだったが夢中で頬張った。


初めて誰かが私のために弁当を作ってくれた事、新品の服をくれた事、だが、これから先の未来が見えず、不安な事、それにサンドイッチの素朴さ身に()みてが複雑に混じり合い、片涙(かたなみだ)してしまった。またその涙が頬を伝い、風に沁みて痛い。そして、それがレンガの道にに落ちて地面を濡らし、それがバラの栄養源になる。皮肉な話だ。


食べ終わり、私は万年筆の手入れをしていた。


午後の試験に実技がある、しかし、これまで魔法を扱ったことが無いので特別不安だった。せめてもの抗いで万年筆をくるくる回し、心を鎮めさせ平静を装う。


「ほぅ、万年筆の魔力発生装置……珍しいな」


私の不安そうな表情を察しられたのか、はたまた魔力で勘づかれたのかは知らないが、突然、薄い水色髪の若い男性教師が話しかけた。


手をかしげて私の万年筆を観察している様であった。


「おや、これは失敬。私の名前は“フォンセ”この学校で教師をやってます。君は受験生だね?

「はい、ビクトリアです」

「君にはすごい魔力を感じる。一緒に授業出来ることを楽しみにしているよ」


私が「ありがとう」と言う前に彼は去ってしまった。

時計を見ると試験開始五分前の鐘が鳴った。私は試験会場へ急いだ。

片涙=造語。所謂、微量の涙を流すこと。

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