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4.マニマニには、シーリア様の強さが分かりません。

ボチボチと続けていけております、この話。

一日一話は、投稿できるようにしようと頑張っているのですが、厳しいですね。

一日二話三話と投稿されている皆様の熱意には、頭が下がります。


◇◇narrator─Manisyu Mani◇◇


 プリエラ様が完璧な可愛らしさで挨拶をした。

 でも、空気が重い。

 何故誰も返事を返してくれないの?

 もしかして、屋敷を間違えた?


 キメまくったキリッとした表情を崩さないように気を付けながらも、不安が心に侵食し始めた時、一人の男性が前に出てきてくれた。

 皺一つ無いピシッとした執事服を纏った中年の男性。

 何処となくポチャッとした体型が、バーサを思わせる。

 そういえば、バーサが、息子が執事をしているとか言ってた。だとしたら、この人がバーサの息子さん?


「ドルミナク領からいらしたプリエラ様で宜しいですよね……?」

 執事さんがプリエラ様に問いてきた。


「はい!」

 プリエラ様が満面の笑みで答えた。

 あっ、この笑顔、不安な時の笑顔だ。

 流石貴族の血と言ってもいいのか、プリエラ様は不安な時ほど満面の笑みをする。この笑顔で、大人達を虜にしていくんだよな……。プリエラ、怖い子。


「ホ………ケフンケフン。あっ、母、いや、バーサは?一緒に来ると聞いていたのですが……」


 ほら、この執事さんもポーッとしてる。

 術にハマったなって、感じ?


「あっ、おじさまがバーサの息子さんですか?」

 ダメ押しの〝おじさま〟攻撃!

 この、小首を傾げながらの〝おじさま〟攻撃に、何人の男達が敗れ去ったか…………アルさまは勝ったけど。流石、私のアルさま。


「お、おじさま──はい!〝おじさま〟がバーサの息子で、アリアドル家の執事長をさせていただいていますオーシと申します」

 やっぱり、バーサの息子さんだ。

 でも、こんな大きな御屋敷の執事長なんて、凄いんだな。


「ご丁寧にありがとうございます。私がプリエラです。で、こっちが──」

 プリエラ様が、こっちに振ってきた。

 顔をキリッと、声が上擦らないようにしてと。

「マニシュマニと申します。マニマニとお呼び下さいませ、オーシ様──」

 ここで、私がダメ押しで〝おじさま〟って言おうとも思ったけど、私じゃ駄目。プリエラ様の破壊力には敵わない。

 っと、バーサの事だよね。


「バーサ様は、出発前に馬を拾ってしまいまして…………」

「馬?」

 そうだわな、普通、そうだよね。馬なんて拾わない。っていうより、普通の人なら拾えない。バーサだからできる事なんだよね……。

 それに、その馬の額からは立派な一本角が生えてて、真っ白で…………。

「その準備と言いますか、環境造りに手間取ってしまい、遅れて参るそうです」

 普通の厩舎で飼えるのか分からない。まあ、カラカラなら何とかすると思うけど──シリウス様、ガ〜ンバ!


「ご迷惑をおかけしています」

 オーシは、頭を下げた。

 ハイ、本当に──でも、面白いから良いんだけどね。


 ここで、高そうな服を着た大柄の男性がこえをかけてきた。

「ドルミナクでは、馬が落ちているのか?馬は拾うものなのか?──おお、スマンスマン、儂が前当主のマキシ・R・アリアドルじゃ。シリウスの親父と言う方がわかりやすいかの?さぁ、プリエラや、おじいちゃんだぞ。覚えておるか?」

 ああ、この人がシリウス様のお父さんですか…………似てないよね。シリウス様も大きいけど、細身だから。

 筋肉マッチョ爺さんと心の中で呼ぼう。あくまでも、心の中で!

 横で、プリエラ様が小声で『T─5』。

 やめなさい!

 こんな所で。



 今度は、私よりちょっと年下くらいのメイド服の女の子が出て来た。

「天使様……主は天使を遣わせてくださりました。さぁ祈りましょう──」

 えっ!天使?

 プリエラ様のこと?

 確かにプリエラ様は可愛らしいけど──でも、地元じゃ天使はタブーなんだよね。大老のウリエラ様が堕天使ってのもあって、天使ってイメージ悪すぎるんだよな。


「「天に在します我らが主よ──」」

 二人になった。

 同じ顔。

 双子?

 でも、ちょっとサイズが違うような──年子の姉妹かな?

 プリエラ様が『T─1』『T─1』

 また呟いてるよ。

 やめなさいって!


「あ〜、祈るなバカ姉妹。あっ、私がヒリス。こっちのバカがウァスとウェス。見ての通りのメイドだよ」

 またメイド服が増えた。

 この二人より年下っぽいけど、立場は上なにかな?

 『T─1』

 プリエラ様、当然でしょ。

 どう見ても、普通のメイドさんじゃない。



 今度は、プリエラ様くらいの女の子。

 見るからに元気印。

「あ、私がリコ。で、こっちがじいちゃんのトラルド。庭師!」

 『T─1』──こら!

「こりゃ、お前はまだ見習いじゃろうが。ああ、儂がトラルドじゃ」

 『T─1』──やめなさい!



 次は、お姉さんタイプの人。

「私がホラック。こっちの熊が、旦那のバラック」

 『T─3』──意外と高い?

「俺は人だよ。あ、嬢ちゃん宜しくな、バラックだ」

 『T─2』──奥さんより低いんだな……。見た目、熊なのに。


 このプリエラの『T─◯』ってやつ、プリエラなりの判断基準なんだって……。単純に『強いレベル』。

 ちなみに、今までで一番強いのが、プリエラ様のお父さんのシリウス様。武器無しで『T─7』。得意の武器有りで『T─10』。

 わたしは、『T─?』らしい。

 堕天使のウリエラ様と悪魔のアルファディオと同じの『T─?』。ウリエラ様とアルファディオは存在自体が、分からない。私は、常に道具ありきだから判断のしようが無いとの事。

 プリエラ様が人を見ただけで強さを測れる事は凄いけど、人を強さで判断する神経の方が凄い。って言うか、やめなさい!



 皆が自由に話し始めて収集がつかなくなって来た時、館の扉が開いて、手を打つクラップ音。

「ハイハイハイハイ。皆ストップ!──」

 このカオスと化した挨拶合戦の幕は、シーリアさまの手によって落ちることとなりました。パチパチパチ



 居間に通されたプリエラ様と私を待っていたのは、「それで──」から始まる長い長いお話しを聞くことになる。

 会話ではなく、お話し?

 そう、それはシーリア様の所謂、一人ツッコミ、一人納得、一人疑問提示の一人解決。とにかく、休みなく早口で離し続けられるのです。


 途中、私と会ったことがあるのを覚えているかい?的な質問があった気がしますが、何も答える前に終了。正直、お顔を拝見した時には、覚えがなかったのですが、お話しを聞いている内に思い出しました。こんな止まらないお話しを聞いた事が──。


 思い切ってプリエラ様が一度会話を遮ったのですが、失敗。新たなる話題の提示となり、終わらないお話しが…………。


 シーリア様、『T─1』なんだけど、ところにより『T─10』じゃないかな…………。


 疲れた──。


読んでくださり、ありがとうございます。

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