インスタントフィクション 雪
しんしんと降る雪を自室の窓からジャックは眺めている。ゆっくり落ちていく雪が妙に面白く見入っているのだ。
ベッドの脇には大きな靴下がぶら下がっている。ジャックはその靴下の中に、日頃自分がしてきた良いこと、プレゼントは何がいいかなど拙いながら綴った手紙が入っている。
母がおやすみの時間よと、ドア越しに声をかけた。しかし、ジャックはまだこの雪を見ていたかった。
雪は自分が行きたい場所へと落ち、友達を作っていく。明日には端に寄せられるけれど、それでも、遊んでくれる別の友達がいる。
ジャックは寂しくなりベッドに就く。
自分は良いことをしてるんだから、きっと願いも聞いてくれる、そう思いながら眠りについた。
翌朝、大きな靴下の中から手紙が無くなっていた。鼓動が高鳴る。
ジャックは急いで着替えて外へ出る。
子どもたちが雪で遊んでいる。ジャックは緊張しながら遊ぼうと声をかけた。