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僕らの壁  作者: 二ノ宮 伊緒
1/1

ぼくらのかべ

初めての作品ですごくワクワクしながら書きました。ぜひ最後まで読んでもらいたいです!


   1.  出会い=持っているもの

 

その日、僕は初めて「私」を見た。「私」は髪に大きなリボンを付け、制服を着て僕を見たーー。


三山伊吹 16歳が朝起きてまず、すること。それはパジャマを脱ぐことだ。リボンやフリルが沢山付けられたそれを脱いで学校指定のセーターを着てズボンを穿く。朝ごはんを食べて歯を磨いて母さんが起きないように、起きないうちに靴を履いて家を出る。そして一連の流れを経てやっと僕が完成して、息苦しさから少し解放された事を知る。


「おはよー」「はよー」「ねみー」

朝の教室は色々な声が入り混じる。どの声も言ってることはまるで同じだけど、声の高さは、はっきり分かれている。声変わりをあまりしていない高い声と声変わりの済んだ低い声。どちらかに属している声の主。僕は彼らがひたすら羨ましい。

そんな事を考えていると千早が声をかけてきた。

「おっはよう!!伊吹!!!」

「あ、千早。おはよう。」


教室へ着いて椅子に座りながら千早を見て思う。

千早はとても可愛い。細く華奢な体に栗色のボブヘア、淡く澄んだ綺麗な瞳に長い手足。誰もが一度は可愛いと思う愛らしさ。


それに比べて僕はーーー


骨が太いのか比較的堅いの良い体つき。短く黒い髪の毛に真っ黒い瞳。自分でも思う。あまりにも女らしくないなって。彼に負けるなんて。と苦笑する。唯一女らしく、勝てるところが僕にはいらない邪魔な体の出っぱっているところだなんて。

僕は本当に……自分で自分が嫌になる。


昔から、僕らは似ているようで全然似てない。

仲間のようで仲間じゃないんだーー


だって彼は、きちんと属しているから。

彼には、性別があるんだから。



千早と出会ったのは、僕らが小学生の頃。

入学式に彼はツインテールで出席してきた。

教室で名前を呼ばれる時、彼は「斎藤 千早くん」って呼ばれていた。彼はツインテールでスカートを穿いて、ピンクのランドセルを持っていて、とても可愛い女の子で………

え?ん?おかしくない?先生「くん」付けたよね?勘違いじゃあないよね?え?え、あ?

「え?千早くんって男なの?!え、え?!」

「いや、俺男だよ。何、なんで?」

え、だって…女の子のカッコウ…。

そう思ってたら彼が言ったんだ。

「可愛いものが好きなの。だめ?」

その言葉に僕は唖然としたんだ。

嘘だろ…。そんなのアリ?って。だけど彼はそれからも普通に過ごしていて、男子と遊んで女子と喋って。クラスの人気者だった。何を言われても平然としていた。


     だからーー、僕とは違うんだ。

僕にはないものを、千早は、彼は持ってるんだ。

彼はどちらかに属することができる。僕にはできないこと。


思えば僕はずっとそうだった。僕にはどちらにもなれない。選べない。小さい頃から、

赤と青どっちがいい?って聞かれると正直黄色がいいなって思うし、そんなことが続いて母さんをよく悩ませた。


「どうして選べないの?!そんなことは聞いてないでしょう?!」


「どっちかなのよ!どっちか!」


     「あんた、気持ち悪いわ。」


あぁ、嫌なことを思い出してしまった。忘れなきゃ、忘れないと。あれは僕がダメだったんだから

 

        忘れないと。


どうでしょうか?おもしろいですかね?

この作品はまだまだ続ける予定なので末永くよろしくお願いします!!

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