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四話 エルミナ王国 王都~王都外~最初の世界(ゼロ)

少し長めです。

章を付けました。

 そしてさらに1週間が経過いたしました。私はまだどうするか決め切れておりません。

 それでも出来ることはしようと、魔法の検証に努めました。けれどあちらの世界で創造したものを持ち帰れる判定ラインはまだ分かりません。あちらで食べた物はさすがにと言いますが持ち帰れます。試しに大きめの宝石を創って持ちだしてみましたが持ちだせました。他の物は流石に試しておりませんがもし逃げても金銭的な問題は特に無い様です。

 どうしましょうか。逃げた方が良いのか、貴族として王家に従うか。結婚までの猶予は残り1週間です。私が逃げると用意している先方(ギッターニ侯爵家)に迷惑をかけてしまいますし、お父様は恐らく悪くて投獄、良くて謹慎か隠居、そしてヘルグナー公爵家は降格し、財産の一部を剝奪されることでしょう。そして逃げなかった場合はあくまで推測ですがギッターニ侯爵家でひどい目に遭い、あの女に(恐らく王妃として)ずっと上に立ち続けられるでしょう。

 ・・・あの女の下につくくらいなら・・・よし、逃げましょう。よくよく考えるとお父様やお兄様、ギッターニ侯爵には悪いですが逃げても王家には余り不利益は無い、と言いますかむしろ王家からすれば厄介払いが出来るのでは?何もできる筈の無い温室で育てられたか弱い公爵令嬢が(それも魔法が使えない)逃げても野垂死にしているだけだと思われるのではないでしょうか。体面上捜索はされると思いますがある程度王都から離れて私の世界(ワンダーワールド)の中に逃げ込み、しばらく待って少しづつ移動したら捕まらないのではないでしょうか。家には創造した宝石でも置いて、置き手紙を書いておけば少しは迷惑が掛からないかと思います。

 よし。思いつけばすぐに実行するべきですね。いつも書いている日記の最後のページをちぎってペンを取ります。どのような内容にしましょうか・・・・。


・・・

・・

・・・


 書き終えると次に私の世界(ワンダーワールド)異界への門(ワールドゲート)を発動します。行先を最初の世界(ゼロ)に設定し、門を潜るともう見慣れた美しい花々が咲き誇る庭園が有ります。この庭園は私の理想そのもの。何度も魔力を枯渇させながら創造しました。すでにここは私だけの、私が一番安心できる場所になっています。

 もう少しここに居たいと思いますがばれると困るどころでは済まされないので早めに創って帰るとしましょう。ダイヤモンド、ルビー、トパーズ、エメラルド、様々な宝石が有りますが私が持っていて不自然がなさそうな物と言えばやはり青系統ですね。私の髪は銀から毛先にかけてアリスブルーに変化しています。目は毛先と同色のアリスブルー。ですので贈り物などでは青系統の物がよく贈られます。

 とりあえずサファイアですかね。親指の先程の大きさのものを10個、握りこぶしほどの大きさのものを2個創造します。これをお父様がお詫びとして王家に献上すればある程度減刑はされると思います。

 街に視察に行ったときに平民の人が着ていたような少し汚れた薄い生地の服に踵の無い靴。あまり艶の無い茶髪の鬘と王都を出る時、違和感の無いようにするための枝などを入れるようの籠を創造し、身に着けて部屋に戻ります。書いた手紙を大きめの封筒に宝石と共に入れ机に置き、部屋の窓を開けると『防御魔法系統:風属性魔法:エアウォール』を普通より少ない魔力で発動します。実は私、私の世界(ワンダーワールド)の隠蔽が解除されてから魔法を使えるようになったのです。まぁ、最初の世界(ゼロ)がちゃんと創られたのですから使えないと逆に文句を言いたくなるのですがね。

 で、実は普通より少ない魔力でエアウォールを使うのは私が魔法を使えた頃に編み出した裏技のようなものなのです。この方法を考え付いた方は他にもいるかもしれませんが私は自分で思いついたことを密かに自慢に思っています。

 それで効果なのですが、魔法は魔法に注がれる魔力が規定に満たない場合、数秒維持された後、霧散してしまうのです。また、出現させる場所は勿論制限は有りますが自由な場合が多く、魔法は発動に失敗すると、発動していないことになります。

 裏技魔法はこの事を利用していて、足元に出し、消えない内に、同じように発動し・・・・・・と、例として『技能:連続発動(効果:同じ魔法、違う魔法をクールタイムなしに発動できる。)』を錯覚的に再現できるのです。

 裏技魔法を使って見つからないまま屋敷を抜け出し、平民の方々が使う門の方に行くと外へと出る門を通って外に出ました。この国の王都の平民用の門は基本的に明らかに怪しい者以外は素通りです。私も無事何も言われず通れました。暫く行って誰も見ていないのを確認して道をそれ、異界への門(ワールドゲート)を発動します。門を潜り、庭園に無事着き、門の消滅を確認すると、思わず座り込んでしまいました。私は、私は、自由になれました。もう、この世界に引きこもって、外には行きたくありません。この世界は私だけの世界。誰も侵すことはできない。私が侵させない。私は、私が思う幸せを、この世界で自由を送ります。

実はリエルちゃんは昔、魔力量が多く、才能もすごいので魔法の天才と言われていました。

裏技魔法は色々ある魔法の道場みたいなところで長い時間をかけて発見された秘伝中の秘伝のようなものです。一人で考え付いたリエルちゃん、実は凄いです。

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