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その日
有紀が再び目覚めたのは
夜遅くなってからであった
亜樹は一時も離れず
有紀の顔を見ていた
目覚めた有紀の視界の中に
自分がいなければ
不安にさせると思ったからだ
有紀は亜樹を見つめていた
ガーゼで
有紀の唇を湿らせながら
語りかける
辛くはあったが
有紀の気持ちを確認しなければならなかった
『私の声は聞こえる?
ううん・・有紀
話さなくていいよ
聞こえるなら
瞼を一度閉じてくれれば
わかるから』
有紀は ゆっくりと
目を閉じ、そして開けた
『わかるんだね、有紀
私の言葉がわかるんだね』
神は
二人の再会を祝福した・・




