28/57
向こう側
向こう側
2006年の冬
有紀は
立ち直ったかに見えた
しかし
人は思い出だけで
生きていけるほど
強くはない
有紀は
欠勤が増え
お店に迷惑をかけるため
退職した
そして
凌辱を重ねられ
身ごもっていた...
今夜は
道雄は夜勤でいない
テーブルには
便箋と封筒があり
側には
多量の睡眠薬が用意されている
自分の気持ちと
道雄への裏切りに対する罪悪感に挟まれ
何か重たいものが
頭に落ちてくる症状におそわれる
それは
『ズーン....』と重く響く
有紀は時差を作るため
手紙を選択した
せめて
自分の想いを
亜樹に伝え
死のう
と思ったのである.....




