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そこは 夢の世界だった
亜樹さんが
車を降りて
『いらっしゃい』と
微笑みながら
私に手を差し出したのだ
まるで
白馬の王子様が
『さぁ おぃで』と
迎えにきた
ハッピーエンドの
クライマックスのようだ
私は
その 差し出された手を
握りしめ
夢の世界へ溶けて行く
女性だと言うことは
問題ではない
心では素直になれる
有紀は
亜樹さんを愛してる
と 言ってます......
私の気持ちは
はっきりしていた
現実には
亜樹さんには
婚約者がいらっしゃるし
私には夫がいる
やはり
夢は夢であるのが幸せかもしれない
しかし
私の心は
現実を拒絶しはじめていた




