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『ここからは 観覧車も見えるの
どう?素敵でしょ』
有紀は無言で頷くと
手を強く握りしめてきた
微笑んではいたが
目は
今にも涙が
溢れそうになっている
私は
理由は、わからぬままに
有紀を 優しく抱きしめ
耳元で囁いた
『どんな事情かは 知らないけど 元気だすのよ
私は、有紀のこと
いつも見守ってるから』
そして 有紀の髪に
そっと唇を押し当てる
有紀は
力無く呟いた
『ありがとう..
でも..有紀は.....
大丈夫だから』
私は指で
優しく愛撫するように
有紀の涙を
ゆっくりと拭っていると
しだいに 有紀は
落ち着きを
取り戻してきた




