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超能力少年 『アキラ』  作者: BRAKE
第2章『ルールは平等』
10/22

ジャンケン

---そばの校舎からは紅茶のいい香りが

ただよってくる



きっと、先生達が

放課後のひと息をついているのだろうか






僕たちの危機的状況とはうらはらに

周りの先生や生徒達は

きっといつも通りの平和な日常を


なんとなく過ごしているのだろう



そんな、ことを考えながら


僕は


山田くんと、流島くんの

勝負の行方を


ほとんどまばたきもせず

見守っていた



太一くんは

未だに目をにじませながら


理解できない状況の中


流島くんの方を

じっと見ている





山田くんが口を開く



「いいか〜?流島ぁ?


最初は、グー、ジャンケンポンでいくぞ?」





流島くんが答える


「ああ、いいぜ」







山田くんがまた話す


「へへ、さ〜て。何をだすかなー?


人間って確か、こういうプレッシャーの中では、グーを出しやすいらしいなー、へへへ」



「流島ぁ?お前はグーを出すのか〜?へへ」


「お前は、一回でも

負けられないんだぞ〜??」


「そこを、よ〜〜く理解してるのかな〜?

へへへへ」





流島くんは黙っている


「……」





山田くんがさらに口を開く


「お前はな〜、どういうわけか

ジャンケンに凄く自信があるみたいだな〜?」


「流島ぁ?ボクシングで鍛えた

動体視力で、俺の手の動きでも

読むってのか〜?へへへ」



「むだむだ〜。このジャンケンは

俺が勝つって決まってんだよ〜」



「さ〜て、パーでも出そうかな〜?へへへ」



山田くんが手をパーの形にして

流島くんをからかっている






こうして、山田くんの揺さぶりが続くが


流島くんは無言のまま

じっと、山田くんを見ていた






そして、流島くんが口を開く


「お前はよ、俺には勝てねぇぜ」





まっすぐ山田くんを見つめながら

自信に溢れた言葉を言い放つ







山田くんは苛立ちながらきりかえした




「うるせぇ!!いつまでも

調子ぶっこいてんじゃねえ!!」







流島くんは山田くんを見ながら

また話し出した


「山田よ、お前がまだ

奪ってきた金をよ、ちゃんと、持ってるかわからねぇし、お前の次に何を出すのかもわからねぇよ、」



「でもなぁ、山田よ、

俺は、この勝負には負けないぜ」



「自信とかじゃねぇ、

もう決まってるんだよ」


「お前は勝てないことは

決まってるんだ」


「すでによ、

結果は見えてるんだぜ、山田よ」




流島くんの自信に満ち溢れた態度に

苛立ちながらも

山田くんはついに切り出した



「ごたくはいい、流島ぁ」



「へへ、1回目の勝負だ」








僕は、たかがジャンケンに

こんなに固唾を飲んだことはない


まるで、お互いの命を懸けるような

まるで、真剣で斬り合うような


そんな、風に対峙しているようにすら

見える




僕は、勝負の行方を

しっかりと見る自信がなかったけど



これは、目をそらしちゃいけないこと

なんだ、と心に感じていた



じっと見守る勇気を

僕は辛うじて、胸に捕まえていた








---ついに、勝負の時が来た。









山田くんと、流島くんがお互いの呼吸を

合わせて

掛け声を放った







『さーいしょーは』



『グー…』






『ジャーーンケーーーン』










『ポンッ!!!!!』







僕は恐る恐る


山田くんの手を見た




「山田くんは…!


チョキを出した!!!」









「流島くんは…!!」




僕は、唾をゴクリと飲み


流島くんの方を見た









「グー、だ!!!!」







勝った!!








1回目は流島くんの勝ちだ


僕は心臓が止まりそうな

気がするほど



鼓動が高鳴るのを感じていた







山田くんが言う



「流島ぁ、1回目はお前に

華を持たせてやるよ〜〜へへへ。


俺の負けだなぁ〜、へへへ」







流島くんが答える



「山田よ、さあ次だぜ」







山田くんが言う


「へへへ、流島ぁ、余裕だなぁ〜

次はどうかな〜?へへ」




また、2人が呼吸を合わせて

ジャンケンをする





『さーいしょーは、グーー!』









『ジャーーンケーーーン』













「ポン!!!」















僕は、同時に見れなくて



流島くんの出した手に

視線を集中した







「な、流島くんは」








「『パー』を出した!」






(という事は、山田くんが

グーを出していれば

流島くんの勝ちだ…!!)





僕は固唾を飲んで

山田くんの出している手を見た





僕は、言葉を失った










「…!!!!」










山田くんが笑う

「へへへ……」




「流島ぁ、お前は本当にバカだなぁ〜、俺が馬鹿正直にやるとでも

思ったのか〜?」





僕は、山田くんの

横暴さをこの時

再確認させられたんだ








太一くんが叫ぶ



「や、山田くんが

ま、まだ何も出していないよ!!?」











つまり、これは









『後出し』だ










「へへへ!流島ぁ〜、バカめ!」



「ポン!!」





山田くんが


『チョキ』を出す




絵に描いたような後出し

ジャンケンだった











(や、やられた!!)


僕は、そう思った






(確かにそうだ…!


山田くんが言ったルールには


一言も後出し禁止だとは

言われてない…!!)





(つまり、それは…)






(この勝負


流島くんの、負けを意味する…!)








山田くんが笑う


「へへへ!流島ぁ〜、お前は

とことんバカだなぁ!


バカ正直に勝負するやつがどこに

いる〜?」


ピエロの様に

山田くんが笑う






その時、流島くんが口を開いた





「山田よ、よく見ろ


まだ、"勝負"は終わっちゃいないぜ」







僕は流島くんの方を見た



「え!!!」










流島くんの手が




『グー』になっている







「なんだって?!」








(いったいどうなってるんだ?!)









つづく



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