僕の名は『田中 輝』
あなたは
『超能力』
というものを信じますか?
もし、手に入るとしたら
どんなものがよいですか?
この物語は
ある普通の少年が
特異な力を手に入れたことにより
数奇な運命に晒される物語
あなたも一緒に
その物語の傍観者になってみませんか?
では、ゆっくりとご覧ください。
第1話 『僕の名は田中 輝』
---僕の名前は『田中 輝』
2015年春、僕は
とある私立高校に入学し
はれて、高校生としての生活が
はじまることになった
この学校はいたって平凡
野球部もサッカー部もあるけど
特に強いわけでもないし
偏差値は中の下くらいで
頭がいいわけでも
バカばっかりの集まりってわけでもない
大体、僕自身ここに入るつもりはなかった
いわゆる『すべりどめ』
ってやつで入学したのだ
本当についてなかった
行きたかった公立高校は
例年より倍率が高くて
受かるだろうと思って受けたら
受験失敗
親にはとりたてて怒られなかったけど
僕自身は本当に落ち込んだ
(はぁ、本当についてないな…)
そんな、ため息が漏れながら
いま、入学式の真っ只中にいる
「えー、君たちにはこれからたくさんのーー、新しい挑戦でありーーー、そしてーー、
たくさんの苦難がありーー、夢というゴールに向かってーーーーー」
校長先生の話というものは
何故こうも長く無駄なのか。
生まれてこのかた
ためになったことがない。
入学そうそう気分が落ち込んで
窓から見える
外の桜の鮮やかな景色とはうらはらに
これからできる友達や、部活のこと
新しい生活に対するワクワクしたものは
あまり湧いて来ず
僕の心はすっかり枯れ木みたいになっていて
まだ、この時は
これから待っている事なんか
想像できるわけもなかった
まさか、こんなことになるなんて…
つづく