第1話~物語が好きな王様~
初めての連載小説です。
むかしむかしあるところに、物語を聞くのが大好きな王様がいました。毎日、城の者を呼んでは物語をさせるのを習慣としていました。
しかしある日、王は全ての話を聞き終えてしまったのです。物語を聞き足りない王は次のようなお触れを出しました。
終わりのない物語を知っている者は王城に来るように。もし話をできたら娘を嫁がせる。
ただし、もし話が途中で終わってしまったら処刑する。
王の娘は容姿も性格も良く、人々の憧れの的でした。しかし、これを聞いた国民は思いました。終わらない話などあるわけないと。もしかすると、途中で王が話に飽きて許してもらえるかもしれないが、命を懸けてまで話をしようとする者はいませんでした。
ある咄家はとても長い物語を知っていました。全て語るのに3年かかる話をすれば、もしかしたら王様を認めさせることができるのではないか。そう思い、王の下に参上し物語を話し始めました。
ところが、王は物語に飽きることもなく聞き続けました。そして3年と幾許か経ったある日、遂に物語は終わってしまいました。咄家はお触れ通りに処刑されました。こんなにも長い話をしても処刑されることに国民は驚き、王に物語を話すのは愚かなことだと考えるようになりました。
最終回まで頑張っていきたいと思います。
どうかお付き合い下さい。