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1-4. 彼の決意
電話を机の上に置くと、肺に溜まっていたものを吐き出した。
明日、ついに彼女がこの部屋に辿り着く。
それはつまり、僕が最期を迎えるという意味でもある。
あんなに彼女が待ち遠しかったのに、今はこんなにも逢うのが辛い。
僕には何も無かったはずなのに、既に未練は無かったはずなのに。
僕は死神と知り合ってしまった。どうして僕は彼女のことをこんなにも……。
虫の鳴き声すら聞こえなくなった頃、僕はひとつの決断をすると両手に力を加える。
ゼリーを突き破るような感触と激痛。
神経が熱く唸り声を上げる中、何か液体が滴っているのを感じる。
今日の夜空は星が輝いているのだろうか。今となってはもう分からない。




