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1-3. 彼女の困惑
その人間は不思議な存在だった。
私の言葉を受けると、人間は恐怖に呑まれる。
ある者は悲鳴を上げ、ある者は命乞いをし、ある者は気が触れる。
しかし、その人間の反応は違っていた。
最初は気が触れたのだろうと思っていた。
この人間は私の言葉を聞いた後、必ず自分の事を伝え始める。そして、無言の私に対し一方的に話すと、この人間は楽しそうに笑う。
私にとっては意味のない言葉の羅列、別に聞く必要は無い。
一方的に遮断してしまえばよい。
何度もそう考えた。しかし、私は最後までこの人間の言葉を聞き続けてしまう。
なぜ、私は彼の話を聞き続けてしまうのだろうか。




