僕と私の片思い
初めて純愛小説なるものを書いてみました。ちゃんと純愛小説になっているのか心配ですが…。俺の恋愛小説の登場人物紹介と行きますか。名前しかありませんが(笑)
<登場人物>
主人公 緑川類
ヒロイン 如月咲
咲の友達 加藤舞
咲の友達 鈴木知恵
付け加えるなら皆、中学生ってとこですね。
それでは本文をどうぞ☆
ーーー僕には好きな人がいる
ーーー席でいうと僕の後ろの席の女の子で頭脳明晰、容姿端麗の美少女だが、なにか抜けてる子だった。
ーーー長い黒髪の綺麗な女の子だ。
ーーー彼女を言葉で言い表すなんて僕にはとても合う言葉が見つからなかった。
ーーー僕と彼女の物語の始まりはほんの些細なことだった
「ねぇ、緑川くん。ちょっといいかな?」
そう言って長い黒髪の女の子、如月 咲は僕、緑川 類に話しかけた。
まさかこの時の僕もクラス1の美少女に話しかけられるなんて思ってもみなかったのだろう。
こんなクラスでは大人しい感じのこの僕にクラス1の美少女が話しかけてくるなんて。
心臓バクバクで内心かなり焦っていたのか、僕は咄嗟に反応が出来なかった。
「緑川くん?」
「あ…ご、ごごごごめんっ!と、ところで僕に何か用でもあった?」
ーーーやばいやばい!なんか挙動不審になってしまった!
「うん。ちょっと貸して欲しい物があるんだ。」
貸して欲しいもの?何だろう。多分シャーペンとか消しゴムだろう。よく加藤さんや鈴木さんに借りてるのを見たことがある。でもなぜ僕なんだろうか。
「えっと…。僕は何を如月さんに貸せばいい?まぁ、僕が持っていて尚且つ貸しても支障がないものに限るけど…。」
「えっとぉ……。かなり言いにくいことなんだけど………。筆箱忘れちゃったから筆箱貸して欲しいんだょぅ…………。」
「え?シャーペン単体とか消しゴム単体じゃなくて筆箱そのもの?……………まぁいいけど。なんで僕?加藤さんや鈴木さんのが仲良くない?」
「ああー。そのことね。生憎、舞も千恵も予備持ってくるの忘れたらしくて私に貸せる分は無かったみたい。誰か予備の筆箱無いのかって聞いてみたら、緑川くん。君が持ってるって聞いたから君のところに来たんだ。」
「ふうん。そっか、見た目真っ黒で地味かもしれないけどそれでもいいなら貸すよ。」
「見た目なんて気にしないよ!何はともあれ助かったよ、緑川くん。ありがとう。」
ーーー如月さん。そのスマイルは反則です。
「ど…どういたしまして。」
ーーーこれが彼女と僕の物語の始まりだった。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
それから彼女はちょくちょく僕に色々と借りにきた。筆箱、鏡、ティッシュ、鉛筆、シャーペン、消しゴム本当に色々だ。最後の二つは加藤さんや鈴木さんに借りた方が早いはずだ。
何故だろう仲のいい子に借りた方がいいはずなのに何故僕に借りにくるのだろうか。もしかして僕に惚れt……いやいやいやいや!絶対にあり得ないから!!こんなクラスの根暗No.1の僕に話しかけるだけで奇跡そのものなのに僕に惚れるなんて……。自意識過剰もいいとこだよ。ルックスもカッコいいとは言い難いし、普通の人だし………。どうせ、叶わない片思いなんだ…。
ーーーでもなんで僕に借りにくるのだろうか…。
僕の中ではずっとそれが疑問だったが、聞くわけにもいかずずっとモヤモヤしていた。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
そんなこんなで時間も過ぎ、夏休み直前の終業式になった。
明日から夏休みだ!今年の夏休みは何をしようかな〜♪ そんな時、学級委員長の加藤舞さんが立ち上がった。
「みんな!これで一学期も終わったことだしみんなで何処かに騒ぎに行かない?」
「お!いいねぇ!どこ行く?」
「カラオケとかは?」
「ダメだろ、この近くに30人近くの人が同時にはいれるカラオケは無かった。」
「うーん。どうしよう。」
「誰かいい案ない?」
色々と案が飛び交っている。言い忘れていたが委員長は加藤舞さんだが副委員長はこの僕、緑川類だ。多分もうすぐ僕にも聞きにくるから考えていた方がいいよな?
「うーん。普通の遊園地じゃいってもつまんないしなぁ…。」
「何かいい案プリーズ!」
「あ!副委員長は何かいい案ある?」
ーーーほら来たよ。
「ええと…。僕が場所取りや何やらをするということで何処かのどかな場所でバーベキューしようよ。」
「……。」
「あ、その手があったか。」
「副委員長すげーじゃん!それならもっと早く言ってくれよ!」
「いやぁ、もう皆が思いついた後だと思ってたから言わなかったんだよ。うん、もっと早く言っていれば良かったね。」
ーーー良かった。咄嗟に思いついたのがそれだったが助かった。ただ、このあと言い出しっぺが会場の予約取りだなんだということでほとんど僕任せになってしまった。
ーーーそれでいいのか、お前ら。
ーーーそのあと1人じゃ辛いから助っ人が欲しいと言ったのが間違いだった。ちょうど時間が空いていた如月さんが助っ人に来てしまった。僕的には美味しい展開だけど如月さんはどう思っているのだろう?
ーーー迷惑だったりするのかな…?
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
僕と如月さんはバーベキューをする場所、食材はどうするのか、バーベキュー関連に必要な設備を借りたりと色々とやることが沢山あるので一箇所に集まって話し合いをすることになった。しかし、
ーーーなぜか場所が僕の家の僕の部屋だった。
いやいやいやいや!別に集まるのはどうってことはないがなんで僕の家なの?!おかしいでしょ!!ああ、僕の部屋に女の子を入れるなんて何年ぶりだろう。恥ずかしくて頭から湯気が出そうだよ。………いや、見られて恥ずかしいことなんてないんだけどね。アレな本とか持ってないし。ホントだよ??ホントだかr…
ぴんぽーん。
ってバカなこと考えている間にもう来ちゃった!!べ、べべべ別にどこかへんな格好とかしてないよね?!髪の毛とかはねちゃったりしてないかなぁ…。
ってぇ!如月さんを待たせるわけにわっ!
は、ははは早くい、行かねばっ!!
がちゃ。
「やあ、如月さん。いらっしゃい。ちょっと汚いかもしれないけど我慢してね。」
ふう。テンパらずにちゃんと言えたぁ…。
「お、お邪魔しましゅ……はっ/////」
あれ?如月さんがテンパってる?
「どうぞどうぞ。まぁ、誰もいないけどね。」
「え?ご両親は??」
「共働きで昼間は俺だけなんだ。」
「そうなんだ。」
「あ、何か飲み物持ってくるよ。」
「いや、いいよ。なんだか悪いし。」
「気にしないでって。ありゃ、ジュース切れてる。お茶でいい??」
「いいよー。ありがとう、緑川くん。優しいんだね。」
「ううん、このくらい当然だよ。」
ーーーふう、よかった。これで第一関門はクリアだ。第二関門なんてあるかどうかわかんないけど。あ、そろそろ本題に入った方がいいよな?流石に駄弁るだけってのもアリかもしれないけどやっぱり本題に移った方がいいはず。
「ふぅ…。それじゃ、本題に入ろうか。」
「ふぇ?……そ、そうだね。」
ーーーえ、なにこれ。めっちゃ可愛いんですけど。お持ち帰りはしてもいいのかな?そういえば、ここ自宅だった。持ち帰るとこないや…orz
「それで決めるのは場所と食材、借りるもの…だね。他に何かある?」
「うーん、思いつかないかな。とりあえず先に決めなきゃいけないことを決めちゃおう?」
「そうだね。それじゃあまず場所は…
「これはどう?」
「うーん、この場所は…
「んじゃここは…
「そこに…
「それで…
楽しい夢のような時間はすぐ過ぎて行くようで何だか楽しいけど何か切ない。そんな気持ちがした。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
僕等が時間に気付いた時辺りは暗くなっていた…。
「ってぇ、如月さん!もう時間やばくなってる!!」
「ホントだ!ど、どうしよ…。」
「とりあえず家族に連絡してみたら?家の電話使っていいから。」
「ありがとう、助かるよ。それじゃあ借りるね。」
そう言って彼女はとてとてと電話の方に向かって行った。
ーーーはぁ…。こんなに時間がすぎるのが早く感じるのか…。もっと話したかったな…。
数分して彼女は戻ってきた。
「緑川くん、ありがとう。」
「いいよいいよ。それで、家族の方には?」
「今すぐ帰るって伝えたよ。」
「自転車?」
「ううん、歩きだよ。」
ーーーえ、歩き?こんな夜に歩きは危なくない…?よし、勇気を振り絞れ、緑川類!!
「お、送って行こうか?」
「いいよ、なんか悪いし…。」
「いや、こんな夜道に如月さんを一人で歩かせるのはちょっと気が引けるよ。遠慮なんかしなくてもいいからさ。」
「ん…。じゃあお願いしようかな?」
「任せて。」
ーーーいざとなれば僕が守ればいい。これでも武術の心得はあるんだ。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
こうして僕らは二人で帰ることになった。たわいもない世間話、好きな番組、本などで盛り上がり如月さんの家までの道が楽しくなってきた。
ーーー楽しいな。こんな時間がいつまでも続けばいいのにな…。
それがフラグだってことに今の僕は気づいていなかった。というより楽しくてそんなことを考えていなかったのである。
ちょうど自宅から如月さんの家に行く道の3/4をすぎた頃だった。
ーーーん。誰かいる?前に一人、後ろに二人、そこの電柱の影に一人…?何をしてるんだろ…。
「おい、兄ちゃん。随分と可愛い子連れてんじゃねぇか。ちょいと俺たちに貸してくれよ。なぁ、いいだろ?」
そう言って彼ら「髪を染めてはね上げ、いかにもチャラいです」みたいな人間が金属バットや鉄パイプを持って近づいてくる。多分僕らに脅しにかかっているんだろうと思う。ていうか如月さん襲ったら児童ポルノや何やらで警察のお世話になることを理解しているんだろうか…。していないだろうな、このような輩は。中学生襲うなんて恥ずかしくないのだろうか。
ーーーん。どうしよう、囲まれた。1対1や前からだけならいけそうだったんだけど、これじゃあ如月さん守りつつ逃げる、なんてことはできなさそうだな。
「み、緑川くん…。こ、怖いよ……。」
彼女は震えながら僕に助けを求めている。
「大丈夫、僕に任せて。」
なるべく心配させないよう手を握り、安心させようとした。が、繋いだ手からも震える振動が伝わってくる。余程怖いのだろう、無理もない。大人の男数人に囲まれる中学生二人なんてシチュエーションは普通ならば絶望的だからね。普通は…ね。生憎僕は普通じゃない、だから僕は不良どもに
「断る」
きっぱりとそう言った。
「ああ?よく聞こえなかったなァ。もう一回聞いてやるよ。」
耳が悪いのだろうか、それともボケたのだろうか。もう一回言ってやろう。
「断る」
「ほぅ…。いい度胸だ。まずはてめぇから片付けてやるッ!!」
そう言い不良Aは持っていた金属バットを振り下ろしてきた。が、僕は右に少し動きギリギリのとこで躱した。
ーーーやはり遅いな。しかも大振りだから振った後のスキが大きい。この程度なら僕一人で大丈夫か。
僕は躱した後すぐに男の手首に手刀を落とし、金属バットをその腕から滑り落とした。
「ぐッ!」
不良Aは
「遅いですよ?」
そのまま僕は男の腹を殴り気絶させた。
「アニキ!!」
「てめぇ…よくもアニキを!!」
「このガキぶっ殺す!」
「今度は三人同時か…。まぁいいや、纏めてかかってこい!」
そういうと不良Bは鉄パイプで振り下ろし、不良Cはスタンガンを取り出したが、僕はBに手刀を落とし鉄パイプを奪い、さらに剣道の籠手技でCの手の甲に4割の力で殴りスタンガンを落とさせ、それを鉄パイプで粉々に破壊した。
ーーーそういえばDは…?
「おいガキ、こいつがどうなってもいいのかァ?その武器を下に置き俺らに土下座しろ。さもないとこいつhー「ふん!!」ーグハァッ」
気づけば投擲してしまった。大丈夫かな不良D。
「これでまぁ…おおかた片付けたかな。如月さん、もう大丈夫だよ。立てる??」
「え……?あ………、うん。って緑川くんすごい!本当にありがとう!何か武術でも?」
「うちは剣道の家庭だからね。この程度大丈夫だよ」
「強いね。」
そう言って彼女はまた歩き始めた。その後は何もなく無事に家についたので良かったと思う。
無事に送り届けたので僕は家に帰った。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
その後、バーベキューの日がやってきた。みんなワイワイ騒いで楽しそうだ。
「さあ、みんな楽しもうぜえええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!」
「「「「「「おー!」」」」」」
クラスメイトのお調子者がみんなのテンションに火を付ける。テンションMAX!
「副委員長もこっちにおいでよ!」
僕を呼ぶ声がする。行かなきゃ。
「わかった、今いくよ。」
「うんめぇ…。サイコーだぜ!!」
「もっと騒ごうぜ!!」
「生きててよかった…。」
確かにそう思う、最高の気分だ。皆とこんな感じに騒げて楽しい。いつまでもこんな感じに続ければ良いのになと僕はそう思う。それと最後の奴、オーバーすぎだろ…。
「みんなあああああああ!!!!!!
そろそろラストスパートだああああああああああ!!!!!!!!!
サイコーの思い出にするべく、最後までジャンジャン騒ごーぜえええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
もうこんな時間か…。最後まで騒ごうと僕も思う。如月さんも楽しそうだ。
そんなこんなでバーベキューも無事に終わる、そう思っていた。そして僕は如月さんに呼び出された。
ーーーなんだろう…?
「緑川くん、今日は楽しかったね。」
「うん、楽しかったよ。みんな喜んでくれたし良かったと思うよ。」
「そうだね……。」
「……。」
「……。」
「……。」
ーーー沈黙が痛い。どうしよう何か話題を…
「私さ、明日引っ越しするんだ。」
「え?」
「急に言われて驚いたよね。私も驚いてる。親の都合上、昨日言われて…。わ…私はみd…皆と別れたくないのに…。○○空港で明日出発するんだ。見送りにきてくれると嬉しいな。私、明日の準備があるからもう帰るね…………………それじゃ。」
僕は呆然と立ち尽くしていた。ショックだったのだ。如月さんと初めて会った時から僕は彼女に惚れた。そんな彼女と共に過ごせた夏休みは最高だった。でもこんな終わり方はさみしすぎる。そう僕は思いながら立っていた。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
次の日、僕は○○空港に来ていた。もちろん彼女を見送る為だ。クラスメイトもたくさんいる。皆涙を浮かべていた。
「行かないで!」「咲ッ!」「また、会えるよね?」「またな。」「じゃぁな。」
クラスメイトの声がたくさん聞こえる。中には泣き崩れる子もいる。皆、如月さんの別れを惜しんでいる。
「皆、見送りありがとう。また会おうよ。」
そう言い、彼女は後ろを向き歩いて行く…。
ーーーこれで良かったのか?
ーーー良かったんだ。僕と如月さんはそんな関係だったんだ。
ーーー本当にこれで良かったのか?
ーーーいいって言ってるだろ。
ーーー本当にお前はこれで良いのかって聞いてるんだよっ!緑川類ッ!!!
ーーーい…
ーーー嫌だ!!!!
ーーー僕は彼女と別れるのが辛いっ!でも…僕にそんな勇気は……
ーーーでもじゃねぇ!!ほんの少し、ほんの少し勇気を出せば世界はきっと変わるんだッ!!!
瞬間僕は走り出した。
速く、もっと速く…。
そして言うんだ。彼女に……。
「如月さ…いや、咲ッ!!!
僕は、僕は咲のことがーーーーー
どうだったでしょうか。少年が少女に恋する話。
ちゃんと純愛小説になってましたか?
最後の類のセリフや、その結果どうなったかは読者の皆様のご想像にお任せします。
感想はどしどしお待ちしてますし、アドバイスなどもお待ちしてます。が、批判はやです。ただでさえ脆い心が折れちゃいますので…。
一応恋愛小説祭りの参加作品なので他の作者様の作品も見てください。
小説祭り純愛編参加作品一覧
作者:靉靆
作品:白への思い出(http://ncode.syosetu.com/n1608bl/)
作者:立花詩歌
作品:彼と彼女の有限時間(http://ncode.syosetu.com/n1556bl/)
作者:なめこ(かかし)
作品:ちいさな花火(http://ncode.syosetu.com/n1285bl/)
作者:一葉楓
作品:わたしときみと、芝生のふかふか(http://ncode.syosetu.com/n0273bl/)
作者:失格人間
作品:僕と幼馴染(http://ncode.syosetu.com/n1374bl/)
作者:三河 悟
作品:天国の扉~とある少年の話~(http://ncode.syosetu.com/n1488bl/)
作品:天国の扉~とある少女の話~(http://ncode.syosetu.com/n1490bl/ )
作者:葉二
作品:ハンバーグに砂糖を入れてはいけません!(http://ncode.syosetu.com/n1534bl/)
作者:コンフェクト
作品:ぼくとむらかみさん(http://ncode.syosetu.com/n1571bl/)
作者:えいきゅうの変人
作品:魔王を勇者は救えるか(http://ncode.syosetu.com/n1580bl/)
作品:恋の始まりの物語…?(http://ncode.syosetu.com/n1579bl/)
作者:一旦停止
作品:神様って恋するの?(http://ncode.syosetu.com/n1581bl/)
見てあげてね。あ、もしかしたら他の作者様から俺のところにとんできた方もいらっしゃる…というかその作者様のが多いかもしれませんね(笑)
それでは、どこかでお会いしましたらまたよろしくお願いします。
※追記
この小説の続き(IF)を書きました。読んで頂けると嬉しいです。
「僕と私の夏季休暇」(http://ncode.syosetu.com/n9354bq/)