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第二章 黄金色に輝く祝祭

 パン!

 風船がはじけるような音が響き渡る。同時に、ボクを包み込んでいたシャボン玉だった精霊さんは別のどこかへと導いてくれた。

 視界に広がるのは一面の黄金色の世界だった。

 顔を上げ、目を細めながら空を眺めると、そこには雲一つない晴天の青空が広がり、一番高いところには大きな丸い太陽がボクを温かく見守っていた。

 あまりの眩しさに太陽に視界が奪われ、耐えられず視線を下げる。焼き付いた白がゆっくりと薄れていく。

 そこには一面に小麦畑が、まるで絨毯のように広がっていた。小麦たちが肌を撫でる心地いい風に身を任せ、来訪を歓迎するように一斉に穂を揺らしていた。

 小麦畑の中にある細道に、一人ポツンと立っていた。

 目に映る小麦畑と一面の青空に、ボクの頬が熱くなっていく。胸が意志とは関係なく、高鳴り続ける。

 この感じは何だろう?

 ボクの今まで知ることのなかった違和感に、胸に手を当てて確かめてみた。早鐘を打つ自分の心臓が理解できず、首を傾げると、胸から手を離した。

 これが精霊さんが伝えたかった感情なの? でも、この感情は一体何なの?

 周りを見渡して、精霊の姿を探してみた。しかし、シャボン玉が割れてしまってから、その姿を見せない。

 それでも精霊の姿を探すように、目をキョロキョロさせると、小麦畑の先に、小さな緑豊かな山々に囲まれた場所に、木材をふんだんに使って作られた家々の小さな村があることに気づく。

 ここに連れてきた精霊に頼ることもできず、時間の流れも忘れて、俯き、ただ茫然と立ち尽くすことしかできなかった。

 どれくらい時間が経っただろう。「君はだれだい?」

 後ろから力強い声が問いかけてくる。

 知らない声に、ボクの肩が跳ね上がる。声の主を見つめるように静かに振り返り、視界に収める。

 声の主は、二本足でしっかりと立っている茶色のつややかな毛並みをした一匹のワンちゃんだった。

 ワンちゃんの顔を見る勇気がもてず、顔を伏せた視界の端で、激しく左右に振られる茶色の影。少したってそれがせわしなく動く尻尾だと気づいた。

 戸惑うボクを見つめるワンちゃんの視線を感じた。でも、なぜだか、そこには身体の強張りも、逃げ出したい衝動も湧き上がってくることはない。ただ、肩から力が抜け、穏やかな気持ちが広がっていた。

 覚悟を決めて、恐る恐る視線を上げていくと、ワンちゃんは顔を見るなり、目を細め、大きな口がゆっくりと緩んでいく。

「やっぱり、ボクくんだワン!!」

 突然名前を呼ばれ、目を見開き、呆然とワンちゃんを見つめる。

 どうしてボクの……。

 ボクの悩みを置き去りにして、ワンちゃんは柔らかい肉球のついた両前脚で手を包み込む。すると、腕が取れそうな勢いで上下に振った。

 い、痛い……。

 ボクの歪んだ顔を見て、ワンちゃんは振りを弱めてくれた。それでも、まだ握られる手には温かい温度が伝わってくる。

「どうして、ぼ、ボクのこと、知ってるの?」

挿絵(By みてみん)

「当然! ボクくんは私たちの村を作り出した神様だワン!! 私はそんな方に出会えて嬉しくてたまらない」

 ボクが村を作った? 神様? その言葉に、耳を疑った。頭の中が真っ白になり、返す言葉が見つからなかった。

「……うれしい?」

 それでも、ボクは掠れるような声で紡いだ自分の言葉に、自分自身が一番驚いていた。

「ボクと会えて?」

 さらに続いた言葉に恥ずかしくなって、慌てて飲み込むように、自分の口を両手で抑え込む。しかし、既に口にしてしまった言葉は戻らず、ワンちゃんはものすごい勢いで尻尾を振っている。ボクは少し頬を赤らめた。

「もしかして、ボクくんも嬉しいんだね。そうだ! よかったら、私の村を紹介させてほしいわん!!」

 握った手を引っ張るように、ワンちゃんはボクを村へと案内しようとする。

「ボクくんが来たと分かったら、きっと村も久しぶりにお祭り騒ぎになるワン!!」

 無意識に、引っ張られる手に力を込め、足で踏ん張った。一度だけ後ろを振り返る。そこにはただ、すべてを見透かしたような眩い太陽が、静かに見守っているだけだった。

 精霊はこうなることが分かっていたのか?

 立ち止まって待ってくれていたワンちゃんの横に並ぶようにして、ボクは村へと足を運んでいく。



 * * *

 鼓膜を打ち付ける歓声、リズミカルな音楽。ボクを遠巻きに囲む動物たちの熱気が、肌を焼くように伝わってくる。青空には色とりどりの紙吹雪が舞い踊り、視界に色彩を生み出す。

 ボクの置かれた状況に身をすくませ、手のやり場に困り、その場に立ち尽くすことしかできなかった。どこに視線を向けても、動物たちの笑顔が広がり、その温かな視線が心をひりつかせ、熱を帯びさせていく。

 どうしてこんなことに……。

挿絵(By みてみん)

 ボクは戸惑い、やり場を失った手で頭を抱えながら、どうしてこうなってしまったのか、村に訪れてからのことを振り返ってみた。

 ワンちゃんが村の入り口まで連れてくると、ボクを見た動物たちは、初めは目を見開き、そして次の瞬間、割れんばかりの歓声が巻き起こった。

 村にいる動物たちはさまざまで、犬は歓喜の遠吠えのように歓声を上げ、猫たちは喉を鳴らしながらうっとりした目でボクを見つめていた。鳥はいつの間に用意したのか、カゴに入った紙吹雪を大空へとばらまき、色彩の雨が降り注いだ。ネズミたちはボクを導くように前を先導してくれた。

 ほかにも動物たちはいたが、種類が多すぎて途中で考えるのをやめてしまったくらいだ。

 動物たちの胸を焦がす反応に、口を開けたまま戻らなくなっていた。

 どの動物たちもみんな目を輝かせて見つめ、通り過ぎるたびにボクとワンちゃんに大きく手を振ってくれた。動物たちが自然に作り出す純粋な笑顔。それに応えられないボクは、顔は石のように固まったまま。どんなに頑張っても、無表情のままの顔が嫌になり、隠すように顔を伏せてしまう。

 連れて来てくれたワンちゃんが足を止めると、そこで初めて顔を上げた。そこは村の中心にあるような広場だった。

 そこには遠巻きながらも、ぼくとワンちゃんを取り囲む動物たちは村中から集まったと思えるほど集まっており、すでにお祭り騒ぎになっていた。

「ボクのために?」

 視線は周りの動物たちに向けたまま、隣のワンちゃんに尋ねると、「そうさ!」と大きく力強い声で答えてくれた。

「このことを家族に伝えないと!」

 弾かれたようにそう叫ぶと、ワンちゃんはボクが引き止める間もなく、波打つ動物たちの群れの中へと消えてしまった。

 再び一人取り残されてしまったボクは、置かれた状況に身をすくませ、手のやり場に困り、その場に立ち尽くすことしかできなかった。

 しばらく呆然と立ち尽くしていたが、それでもなぜだか、胸の中の温かなものが消えることなく、残り続けていた。ボクがその胸の温かさを確かめていると、一羽のトリさんが空から目の前へ降り立ってきた。

「よくお越しくださいました。ボクくん、我々はあなたの来訪を心より感謝申し上げます」

 大人びた声のトリさんは礼儀正しくお辞儀をした。ボクもトリさんに合わせるように、不格好ながらお辞儀をすると、トリさんは「素晴らしい!」と高らかに褒めてくれた。

 ワンちゃんがいなくなったことで、話を聞くことができなくなったボクは、トリさんに色々と尋ねてみた。するとトリさんは優しく微笑みながら、教えてくれた。

「やはり、皆様もボクくんの来訪を心から嬉しくてたまらないのでしょう。それゆえの、お祭りなのでしょう。ボクくんもそう思いませんか?」

 ボクに会えてうれしい? だから、お祭り?

 理解できなかった。ただ、呆然と立ち尽くすボクには、質問をすることしかできない。

「……どうして?」

 ボクはどうしてこの質問をしたのか分からなかった。

 分からない……。でも、なんとなく。そう、なんとなく。ワンちゃんやトリさんが話す『嬉しい』という言葉がどういうものなのか。その正体を、ボクは知りたいと思ってしまったんだ。

 消え入りそうな震える声に、トリさんはクチバシの両端をつり上げてカッカッカッ! と笑ってみせた。

「我々がどれほど、ボクくんとお会いしたかったのか。その嬉しさをお伝えしたいからです」

 嬉しさを伝える?

 ……どうして。

 どうして。

 ボクがこんな顔を友達に向けたって、何も伝わりはしない。ただ皆を困らせて、いつか嫌われてしまうだけなのに!

 なのに、どうして!

「なんで…… なんで! そんなことができるの?」

 いつもは押し込むだけだった心の箱から、黄金色の光が今にも、内側からあふれ出ようとしている。その僅かな欠片たちが肺を伝い、喉を通り、口から漏れ出す。

 ボクにはできないことを、どうして自然にできてしまうのか、トリさんにその答えを教えてほしかった。

 あふれ出た感情がトリさんを困らせてしまうと感じたボクは、無意識に手で口を抑え、グッと堪えていた。それに対し、トリさんはクチバシに羽を当てて、しばらく考え込む。

 トリさんに迷惑をかけてしまったと思う自分と、もう一人、トリさんの口からその答えを待ち望んでいる自分がいた。

 するとトリさんが声を出して笑いだした。

「カッカッカッ! ボクくん、皆様の歓迎を受け、嬉しいと感じているでしょうか?」

 閉ざしていた心の蓋が、ゆっくりと、開いていく。その蓋を元に戻そうという気持ちは、もう起きなかった。むしろ、そこから溢れ出す黄金色の光の温かさに、ボクは心を奪われていたんだ。

「カッカッカッ!簡単なことです。ボクくんが笑えば、私も嬉しい。私が笑えば、きっと誰かも嬉しくなる」

 トリさんは翼を広げ、お祭り騒ぎの動物たちを指さした。

「光は鏡合わせのように、行ったり来たりするたびに輝きを増すのです。一人で抱え込んでいるだけでは、この景色は作れません」

「……かがみ」

「えぇ。ボクくんも、その光を外に出して、誰かを照らしてみたくないですか?」

 この光が『嬉しい』ってこと? でも、これをみんなにどう伝えればいいの?

 この輝きをどうやって伝えるべきか、答えを知らないボクは、声にならない言葉を探して、ただ口をパクパクと動かすことしかできなかった。ボクはすぐに諦めると、ただ首を振る。

 しかし、トリさんは諦めることなく、優しい笑みのまま教えてくれる。

「たとえば……」

 トリさんは大きな翼を、バサリっと広げた。

「初めて大空を舞った時とか」

「ボクには羽がないから……わからない」

 不意に出た鋭い言葉に、ボクは口に手を当てて抑えつけた。顔に影が落ち込むと、ボクは恐る恐るトリさんを見る。

 そんなことを気にする様子もなく、カッカッ! と笑いながら、トリさんは「そうでしたね」と答えると、羽を一本、指のように立てた。

「例えば、大好きな食事が目の前に広がっていたら? 大好きなママとすごす日々は?」

 ママという言葉を聞いた瞬間、心臓が口から飛び出そうとした。大好きなママ。ボクがどんな時も一人ぼっちにしないでくれた、大好きなママ。今、この胸にあるポカポカした『嬉しさ』を今すぐにママにも伝えたい。

 溢れる光は、僕の切なる願いに呼応し、心の蓋を弾き飛ばした。白黒だった視界が、内側から爆ぜた黄金色に呑み込まれていく。その熱は、単なる色ではなく、僕が初めて手に入れた『嬉しさ』の脈動そのものだった。

 この胸の高鳴りをママにも伝えたい!……しかし。

 伝え方が分からないボクの心は、溢れ出る光が満ちていくだけで、一筋の光さえ外へ出ることができない。初めは心地よかった心のぬくもりは、次第に内側から胸を焼くような熱に変わり、痛みがボクを突き刺す。この嬉しさを解き放ちたい。だが、どうしたらいいのか分からない。

 ボクは苦しむように胸に手を当ててうずくまってしまう。

 みんなに歓迎されて胸が熱くなったことを伝えたい! 伝えたいよ……伝えたいのに……。

 ボクの顔は笑い方を忘れ、僅かな表情の変化を作ることさえ拒んでいる。これでは動物たちのように笑顔が作れない。

「……伝えたい。だけどできない」

 ボクが助けを求めるようにトリさんの顔を見上げる。

「出口がないのなら、作ってあげればいい」

 トリさんは躊躇うことなく、ボクの額の真ん中を羽でツンと突いた。

「ここです。ここを緩めてあげてください」

 そこは苦しんで一番力が入っていた場所だった。

 トリさんに刺激された瞬間、行き場を失って渦巻いていた黄金色の光が、一気にそこへ向かってきた。

 熱い!

 内側から頬が熱くなり、何かに引っ張られるように筋肉が持ち上がる。ボクの意志とは関係なく、光の圧力が唇の両端をグイと押し上げた。

「……はっ……はぁは……」

 笑顔の形が作られたその瞬間、黄金色の光が爆発的に溢れ出す。

 同時に突き刺さるような胸の痛みが引き飛んでいく。

「そうです!そのまま身を任せるのです!」

 しかし、トリさんが羽を離すと、もとの無表情へと戻り、また黄金色の光が心に閉じ込められる。

 けれど、胸の痛みが和らいだ。

 ボクはゆっくりと立ち上がるが、視線は地面に向いたまま。

「おしい! もう一度、がんばってみましょう!」

 トリさんが励ましてくれたけど、ボクの手は力なく、垂れ下がったまま動かない。

「意味ないよ。だって、ボクはずっとこの顔なんだから……想いを形になんてできないんだ!」

 自分の心を閉ざすように、ギュッと目を閉じた。けれど、トリさんの声は否定しなかった。

「……ボクくん。少しだけ、あの子を見てあげてくれませんか?」

「え?」

 予想外の言葉に、恐る恐る目を開ける。

 トリさんが翼で指し示した先には、広場の隅で小さな影が懸命に翼をバタつかせていた。

「えいっ!……ああっ!」

 ポスッと地面に落ちるコトリちゃん。けれど、すぐに起き上がり、泥を払ってまた翼を広げた。

「失敗……してる?」

「ええ。何度も、何度もね」

 トリさんはボクの隣に並び、優しい目で見守った。

「でも、あの子の顔を見てごらんなさい。あれが『無意味』に見えますか?」

 言われて、ボクは目を凝らした。

 地面に落ちたコトリちゃんは、痛がるどころか、泥だらけの顔でケラケラと笑っていた。

「また失敗しちゃった!でも、次はきっと飛べるもん!」

 彼女は元気よく叫ぶと、懲りずにまたバサバサと翼を広げ始めた。

 ……楽しそうだ。失敗ばかりなのに、どうしてあんなに輝いて見えるんだろう。

 失敗を恐れないコトリちゃんの姿が、ボクの心の種火に木をくべてくれた。

 ボクよりも小さな体で、トリさんよりも小さな翼で、今も一生懸命に飛び立とうと努力する姿が、諦めていたボクにもう一度勇気をくれた。

 ……もう一回だけ。

 トリさんが教えてくれた感覚を思い出しながら、胸の奥の光を額の中心へと押し上げようとする。頬が熱を持ち、少しずつ持ち上がっていく気がした。しかし、意識が途切れると、すぐに頬が強張ってしまい、光が引いていく。

「頑張れ!」

 周りの動物たちから声援が飛んできた。

 それはコトリちゃんに? それともボクに? どっちでもいいや。もう一度。

 意識を集中させるように歯を噛み締め、胸の内側から押し出してみた。

 もう一回試してみたけど、やっぱりうまくいかない。出口が見つからない。

「頑張って!」「もう少し!」「前よりうまいよ!」

 なんだか、頬がピクピクと熱を持っているように感じる。

 もう一回!

「頑張るんだ!」「翼を広げて!」「うまいよ!」「顔を上げて!」「恐れないで!!」

 もう一回!

 ボクがもう一度、ありったけの光を喉元まで汲み上げようとした、その時だった。

 ワァァァァァッ!

 村中に歓声が轟いた。

 ボクの肩は跳ね上がり、パッと空を見上げた。そこには覚束ない様子で今にも落ちそうになりながらも、必死で翼を動かしているコトリちゃんが空を舞っていた。

 コトリちゃん、ついに飛べたんだ!

 その感動が胸の内側から、意志を持ったように湧き上がってくる。

 疲れてきたのか、地面に降り立とうとするコトリちゃんがボクに翼を向けると、ボクはその翼に両手でそっと触れた。

「やっぱり、ボクくんは笑っている方がかわいいね」

 コトリちゃんが満面の笑みを浮かべながらそう囁いた。

 自分の顔が、自分の口元がほころんでいるのを感じた。

 内側から溢れ出す黄金色の光が、ボクの表情を柔らかく溶かして、周りの動物たちに伝わるかのように笑顔が広がっていく。

 笑えた! 嬉しさをみんなに伝えられた! これでママにも笑ってあげられる!

 気がつくと、胸の痛みなんて初めからなかったかのように感じられなくなり、代わりに体中に命の熱が戻ってきたように暖かくなっていた。



 * * *

 村の動物たちと喜びを分かち合い、自分の『嬉しさ』が心に沁みついてきた時だった。

「やっと見つけました!!」

 動物たちの楽し気な笑い声を引き裂く様に叫び声が聞こえた。

 カチッ、カチッ、カチッ……。

 楽し気な音楽とは不釣り合いな、硬質で規則的な音が近づいてくる。動物たちが道を開けると、そこには、スーツ柄のブリキの人形が立っていた。

「……楽しそうですね。先生」

 その声には抑揚がなく、まるで冷や水を浴びせられたかのように、ボクの胸の熱がスーと冷めていく。

「あなたが笑っている間も都市は大変な状態が続いているというのに」

 その言葉は、ボクに向けられた初めての否定の言葉だった。けれど、今のボクにはそれが、ただの悪口ではなく悲鳴のように聞こえた。

 その言葉に、胸の奥の黄金色の光が、チクリと痛んだ。

 自分だけが笑っていても、ダメなんだ。ブリキさんにも笑ってもらいたい。

 ボクはブリキさんの腕を掴んだ。

「……分かった。だったら、連れて行って!」

 ブリキさんが驚いたようにボクの顔を見つめた。

 動物たちの方へ振り返る。

「行ってくるね。ボク、この人にも笑ってほしいから」

 動物たちが笑顔と共に手を振って見送ってくれた。

「信じる気持ちを大切にして」

 ワンちゃんから大きな声が聞こえてきた。「君ならできる」そう言っているようにも聞こえた。

 きっと大丈夫。だって、今まで白と黒しかなかった寂しかった世界に、今は黄金色に輝く空が生まれたから。

 地平の彼方へ沈みかけている太陽に向かって、ボクとブリキさんは歩き出した。

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございます!

長い作品になってしまいましたが、楽しんでいただけましたでしょうか?

もし、今回読んで「よかった!」「続きが気になる!」と思っていただけましたら、ブックマークはもちろん、ぜひ↓の『☆☆☆☆☆』を『★★★★★』にして、作品に愛の評価をください!

皆様からの応援が、物語をより良いモノへと作り替えて行き、最後には最高の作品になるでしょう。

また次話で、お会いしましょう!

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