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狐の嫁入り

作者:猫柳 星
まず、初めに切なくて悲しい狐の恋物語です。

山に生きる白狐は、孤独に耐えかねて人の姿に化け、川辺で涙を流していた。
そこで出会った青年は、疑うことなく声をかけ、優しい笑顔を向ける。

幾度も人の姿で彼に会いに行き、次第に心を通わせるようになった狐。
けれど、共に歩むことはできない。
人はあまりに短く儚く、狐は百年を生きても変わらない。
愛すれば愛するほど、必ず訪れる別れが深い傷となって残る。

やがて青年は病に伏し、静かに命を終える。
狐はただ遠くからその灯を見つめ、最後まで寄り添うことは叶わなかった。

命日の夜、狐は白無垢に身を包み、仲間の狐を従えて山を下りる。
篝火と鈴の音が、誰も知らぬ幻の花嫁行列を作り出す。

人はそれを「狐の嫁入り」と呼んだ。
それは祝福の婚礼ではなく、叶わなかった恋を弔うための、孤独な狐の祈り。

彼の魂に届くことを願いながら、狐は今も霧の中へと消えてゆく。
第1話 狐
2025/09/04 19:30
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