24話 夢から醒めて。【完結バージョン】
24話での完結バージョンです。短いお話ですが、これを残したまま、次話に続きます。煩わしいと感じられる方は、次話へお進みください。
以下、蛇足とか言い訳。
本来はこの話自体が23話の後半に続き、完結となるものでした。話数分けが上手くいかず、単独での投稿としました。
13〜15万文字で書き上げてみれば、物語もちゃんと完結しておらず、初めての物語創作という事もあり、諦められませんでした。だからこそ完結を目指して、その後も書き続けております。拙い物語でしたが、お読み頂き、ありがとうございました。
「あ……。夢……」
マリアの腕の中、目覚めたアンナは呟いた。
意識は徐々に覚醒していくが、体は動かない。マリアに抱えられている事もあるが、頭が行う身体への指示が、上手く働いていなかった。マリアとお話ししながら、マッサージを受けていた。その途中で眠ってしまったのだろうとアンナは把握する。一向に動かぬ身体への指示を諦め、どこまで話せたのだろうかと、記憶を探ってゆく。
病院へ辿り着き、意識を失った事までは、話せた筈だった。話の途中で、あまりにもマリアが心配するので、何度も母子共に無事だったと伝えてもいた。滑らかなマリアの頬には、涙の痕が残っている。
「ごめんね。お母さん」
言葉にすれば、アンナの心は締め付けられる。マリアは叱らなかった。だが、悲しんでいる事は伝わった。正しい行いです。と言葉では褒められたが、マリアはちっとも嬉しそうではなかった。夢現の中、痛むところはない? などと、何度も聞かれた事を覚えている。心配させてしまったのだ。アンナは、マリアの悲しむ貌など見たくはなかった。
かくして少女は僅かな後悔を振り払い、母の胸の中で、再度の眠りについたのだった。
今はまだ、この微睡みの中にいたかった。少しだけ疲れが残っていて、寂しさがあったから。
だって、彼女の未来はまだまだ続くのだ。出会いがあって、喜びがあって、大冒険があったりもする。それらは、楽しい事、都合の良い事ばかりなどではないだろう。世界中に危険や不幸は溢れている。それでも、触れたいものなのだ。
心配事なんて、尽きやしない。やりたい事も、沢山あった。だから、幸せな微睡の中であってでさえも、大好きだよ。愛しているよ。と、伝えたい。それは、沢山貰っている全てに還したい、確かな想いなのだ。
幼いアンナは優しい夢を見る。幸せな夢を。世界の全てを愛しているから。大好きだから。お母さんが、お父さんが、お婆ちゃんが。あの人が。ここにはお母様が『愛している』と教えてくれた、沢山の人達が居て、沢山のモノがあるから。そんな全てを愛しているし、もっと愛したい。
皆が笑ってくれるから。幸せだよって、伝えてくれるから。だって、本当に嬉しくて、楽しいのだ。こんな幸せを運んでくれる、その全てが、愛しくて堪らない。今日も明日も、その先も。大好きだよ。愛しているよ。と伝えたい。だから、願い、祈るのだ。
あなた方の先行きに、幸多からん事をと。私と、あなたと、世界の全てにおいて、そうあれかしと。
まだまだ、書き続けますからね。あまり読まれてはいませんが、それでも書きたいし、読んでもらいたいんだ。




