殴る系主人公誕生。これで殴ったら人死んじゃうんじゃない?
書き溜め分消滅のためここからは本文短めの更新になります。
朝早く目が覚めた。外はまだ暗い。かすかに冷たい空気が漂っていて、夜明け前の静寂が部屋を満たしている。寝起きのぼんやりした頭を軽く振り、俺は昨日の夜からずっと悩んでいた選択肢を再び思い返す。
「やっぱり・・・拳闘士しかないよな」
ベッドから起き上がり、職業一覧を再度開いて確認する。様々な戦闘職が並ぶ中で、俺の目は自然と「拳闘士」に向いた。
戦闘職業一覧
剣士(力+敏捷+器用さ)
槍術士(力+耐久+敏捷)
斧戦士(力+耐久+運)
弓使い(敏捷+器用さ+運)
拳闘士(敏捷+耐久+力)
暗殺者(敏捷+器用さ+運)
双剣士(敏捷+器用さ+力)
盾兵(耐久+力)
ハンマー使い(力+耐久)
魔術師(知力+運)
僧侶(耐久+力+知力)
祈祷師(知力+耐久)
狩人(敏捷+運+器用さ)
俺の現在のステータスを見ても、明らかに「拳闘士」が最も適している。敏捷と耐久が突出しており、今後力を上げれば参照ステータスすべてが高水準になる計算だ。それに素手で戦うスタイルは俺の過去の経験――空手をやっていたことも活かせる。何より、武器を持ち歩かなくていいのが非常に便利だ。剣や槍を携帯して配達なんてしたら、確実に怪しまれるだろう。
「よし、決めた」
俺は意を決して、職業「拳闘士」を解放するためにいいねポイントを30消費する。
ログ:
職業「拳闘士」を解放しました。消費いいねポイント:30
拳闘士のスキルを解放しました
「さて、どんなスキルがあるのかな」
ワクワクしながら職業を「拳闘士」に設定し、スキルタブを確認する。
拳闘士のスキル一覧
【軽快なフットワーク】(パッシブ/5ポイント)
足さばきが軽やかになり、敏捷+3
【集中の呼吸】(パッシブ/5ポイント)
呼吸法を整えることでスタミナ消費を軽減し、耐久+2
【瞬歩】(アクティブ/10ポイント)
前方に高速で移動し、間合いを詰める
【鉄拳マスタリー(LV1)】(パッシブ/5ポイント)
拳を使った攻撃の精度が向上する
【蹴撃マスタリー(LV1)】(パッシブ/5ポイント)
足技の精度が向上する
【威圧】(アクティブ/10ポイント)
視線や姿勢で敵を威圧し、周囲の弱い敵の動きを鈍らせる
【強打】(アクティブ/15ポイント)
一撃で強力なダメージを与える正拳突き(力+5、クリティカル率大幅増加)
【堅牢な防御】(パッシブ/20ポイント)
戦闘中の耐久力を高め、受けるダメージを軽減する(耐久+5)
【連撃の心得】(パッシブ/20ポイント)
攻撃速度が向上し、連続攻撃が容易になる(敏捷+5)
【気合の一撃】(アクティブ/20ポイント/MP消費3)
力を溜めて破壊的な一撃を与える
【螺旋蹴り】(アクティブ/25ポイント)
強力な回し蹴りが可能になる
【剛腕の覚醒】(パッシブ/30ポイント)
戦闘中に全身の力を覚醒させ、力+10、敏捷+5
【フェイント】(アクティブ/50ポイント/MP消費5)
相手に攻撃されそうだと錯覚させる高度な技術。相手の攻撃を誘発し、隙を作る
【極限状態】(アクティブ/50ポイント/MP消費10)
10秒間、力+30、敏捷+30、耐久+30の強化を得る
【拳闘士マスター】(パッシブ/100ポイント)
拳闘士のスキルをすべて習得し、熟練の拳闘士に到達した証。これを手に入れる事で上位職の条件が解放される
「お、マスタリー系があるな」
配達員にはなかったスキルカテゴリーが目に留まる。さらに、アクティブスキルにはMP消費が設定されているようだ。少し考えた後、まずは基本的なスキルから試してみることにする。
「鉄拳マスタリーから行ってみよう」
ログ:
スキル「鉄拳マスタリー(LV1)」を習得しました。消費いいねポイント:5
残りのポイントは72。LV1を取得したことでLV2も解放されている。
鉄拳マスタリー(LV2)
拳を使った攻撃の精度が向上する。
消費ポイント:10
「気になるな・・・もうちょっと上げてみるか」
ログ:
スキル「鉄拳マスタリー(LV2)」を習得しました。消費いいねポイント:10
スキル「鉄拳マスタリー(LV3)」を習得しました。消費いいねポイント:20
スキル「鉄拳マスタリー(LV4)」を習得しました。消費いいねポイント:30
これで残りのポイントは12。早速正拳突きを試してみることにした。久しぶりの動作に少し緊張しながらも、構えをとり拳を突き出す。
ぴゅぅん
「え?」
明らかに俺の知っている速度じゃない。拳を突き出すたび、風を切る音が響く。正確さと威力が異常なほど向上しているのが体感できる。
「すげえな・・・これでLV4か」
念のため職業を「配達員」に戻して再度正拳突きを試す。
しゅっ
拳のスピードと威力が確かに落ちているが、敏捷のおかげで普通の人よりは十分速い。それでも「拳闘士」としてのスキルを活用すれば、戦闘で圧倒的なアドバンテージを得られることが分かった。
「明らかに強くなってるな・・・」
時間が経つにつれ、外から太陽の光が差し込み始める。どうやら朝になったらしい。
「とりあえず今日も配達の仕事だ」
俺は服装を整えて宿を出る準備を始めた。