7 収穫と豊穣の舞
11月の2週までに収穫する。徴収もある。冬の作付けについて説明がある。作付けは小麦だ。肥料散布の上豊穣の祭りがある。
7 収穫と豊穣の舞
国民に11月第2週迄に収穫を終え、20日に豊穣の舞を行い、冬の作付けをすると伝えられた。12月10日から19日までは冒険者に戦争に参加して貰う。ラキウスは、
「やっと粛清が終わったら、収穫、豊穣の舞、冬の作付け、東の国の軍の来襲か。忙しいな。」
マリエールは楽しげに、
「全てはあなたのお陰よ。私一人では、何も出来なかった。あなたが夢も希望も全て叶えてくれる。」
マリエールは楽しげなのに、ラキウスは慎重だ。
「油断していると足元をすくわれるぞ。ここまでは出来る事が判っていた。今度も東の国に痛打を与えられるだろう。しかし、その後は厳しい。軍事力で東の国が上だ。戦闘集団の東の国の国民が相手だ。農耕の民のこちらの国とは根本的に違う。橋を落として時間をかけて、落とし所を探る事になる。」
それさえ出来なかった今迄とは違う。
「あなたが与えてくれた希望を私が繋ぐわ。」
尚も笑顔でマリエールは応える。
収穫が始まった。決まりにしたがってアンドロイドが徴収する。東の国の搾取のない今年は皆の顔が明るい。
徴収の時、冬の作付けの話をする。
「今年は東の国の搾取はありませんでしたが、戦争があるかも知れないです。そのための準備のため冬の作付けを行います。先ず耕作地に肥料散布します。20日の豊穣の祭りで更に耕作地が豊かになります。ここは小麦を担当します。12月になったら作付けして下さい。水やりを適度に行います。他の季節と違うのは麦踏みが必要な事です。詳しくは村長さんにしておきますので指示にしたがって下さい。」
農民達は戦争という言葉に怯えるが、自分達が考えても仕方ない事と考え直す。予定通り、肥料散布が行なわれた。
豊穣の祭りの日だ。マリエールがいつも以上に緊張している。責任を感じる。以前は人の役に立てて嬉しいだけだったが、ラキウスに収穫の決め手とまで言われ緊張する。いつも通り進めるが、いつもよりも祝福が多い。最後は、どこまで飛ぶのかと思うくらい大量の祝福が合った。
「豊穣の神はお聞き下さいました。例年と違う試みですが指導者の言葉を聞き安心して行なって下さい。」
マリエールは国民と自分の不安を払拭する様に語った。
12月になり作付けが始まった。多くの農民が不安を抱えながらも反面期待する。収穫が2倍なれば、生活が楽になる。余った農産物でお金が得られる。収穫したばかりの農産物も売り必要物品を購入した。東の国の搾取がない分、今年は豊かだ。戦が近いと言われる。特に戦場に近い東部では深刻だ。
冒険者ギルドの募集に応じて多く冒険者が応じる。集合は10日の午前6時30分各橋の集合場所だ。6時前から受付が始まって、6時30分には全員集合した。武装を整え45分には説明が始まった。
「7時進行開始、先に国軍が行くから後に続く。橋を渡ったら戦闘開始だ。アンドロイドが複数いるので、不明な時は聞けばいいが行動は各自自由。ただ東の軍の兵隊だ。間違い無く強い。無理はするな。きみらが祖国ために戦う事が重要だ。」
と訓示が合った。ほどなく進行が始まった。
冒険者ギルドの募集に応じて多くの冒険者が戦いに加わる。国軍の後だ。進行開始だ。