18 海の恵み
マリエールの海の幸が食べたい発言が大変な事になった。石油コンビナートや発電所、海の開発が進む。
18 海の恵み
マリエールの国の南も東の国の南も東も海である。しかし、海には魔獣が居て、陸の魔獣より巨大で凶暴であるため人が入る事はなかった。しかもクラーケンは陸上に上がり人を襲うため、海から100m離れた所にしか人は住まない。マリエールはラキウスに、
「海の物が食べたいわ。鯛やマグロ、鮑やサザエ、ウニや蟹----------。真珠や珊瑚は宝石になるでしょう。新しい取り組みよ。シーパラダイスよ。」
ラキウスは呆れた様にマリエールを見る。
「何がシーパラダイスだ。思い付きで発言するな。きみの思念はアンドロイドを動かす。アンドロイド達は今各所で忙しい。余裕のあるアンドロイドもいないし、増やすのも難しい。きみには方策があるのか。」
確かに今アンドロイド達は、我々が作れる限界まで作り、限界まで働かせている。新たなアンドロイドが必要なら、新しいメカニズムが必要だ。マリエールは、
「量子コンピュータを登載した超高度AIを使えば、幾らでもアンドロイドが出来るでしょ。あなたの専門分野じゃないの。」
それからラキウスは苦労した。東の国で石油コンビナートを作った。石油はあちこちから取れた。発電所や変電所も作った。新たな街作り、電気、ガス、水道の完備した。未来都市が出来上がった。研究所が出来、量子コンピュータ登載、超高度AIのアンドロイド、レイシアが出来たのはマリエールが海産物を食べたいと口にして半年後の事だ。ラキウスはマリエールに言った。
「海産物が食べたいと言ったのはきみだ。その気持ちをコンピュータに込めろ。我々のいた時代には実現しなかった。魔法の使える超高度AIが出来る筈だ。」
マリエールをべースとした超高度AIのアンドロイドが出来上がった。マリエールの姿をしているが、それぞれ、微妙に年齢や顔が違う。魔法が使えるし念話、テレパスも使える上、異世界の特殊装備や能力も使える。これまでのアンドロイドの能力を超える。知識やコミュニケーション能力はマリエールをべースとするが、コンピュータのサポートも受ける。他のアンドロイドの情報がコンピュータに入力され、コンピュータの情報を超高度AIアンドロイドのレイシア達が使えるので彼女達は最高の能力を持っている。彼女達が増え過ぎるとマリエールの負担が増えるので、レイシア達の手下、レイシア達が使うアンドロイドを量産する。能力の特化したアンドロイドだ。海の魔獣と戦ったり、海の幸を収穫したり、土木作業をしたり、養殖するのに飛び抜けた、知性や不要な能力はいらない。
100体のレイシアはそれぞれ一万体のアンドロイドを連れて、海や島に乗り出した。レイシア77は1000平方キロメートルの入江と幾つかの島からなる一帯の管理を任された。半島の先と島々を繋ぎ、魚は通れるが海の魔獣は通れない囲いをする。そして中に居る海の魔獣を討伐する。レイシア77は満足そうだ。討伐に入る。一番多いクラーケンは一万匹いる。大王イカ、海ワニ、ギカントシャーク、キラークラブ、エビラ、キングフッシュ、ジャイアントオルカ-------。養殖施設を破壊する魔獣は排除しなくてはならない。でもいずれも高級食材らしい。一番大きい島は火山島だ。温泉が出る。レジャー施設にしてマリエール様をお招き出来るかも知れない。美味しい酒、料理で接待したい。ここの特産も用意しなくては。火山島には珍しい宝石や鉱物もある筈だ。通路も整備して安全に探索して頂くのだ。他の島々や陸地にも調査を入れ、マリエール様が興味を引く所を探すぞ。産卵場、幼魚の育成場も作り、養殖を軌道に乗せるぞ。
レイシア77は夢見る。マリエールが喜ぶ姿を。
レイシア77は夢見る。担当地区を魅力ああ場所にして、マリエール様をお招きする事を。