第4章エピローグ 小さくない失敗
知らせを受けて急ぎ帰ってきたが、その惨状はひどいものだった。
幹部の中ではゴッツとデンデが死亡。
その配下の実働部隊もたまたま非番で居なかったような者を除けば全滅していたし、邸宅の警備の者たちも立ちはだかった者はことごとく殺されていた。
レベッカを入れていた地下牢には、真っ二つに破壊された腕輪と繋いでいた鎖。
立ちはだからず見逃された執事の一人が言うには、龍殺しの片割れがここを何らかの手段で突き止めて襲撃してきたとのこと。
「どうやって突き止めた…?」
龍殺しの相方だ。戦えば勝てても損害は無視できないだろう。だからレベッカをどこにやったかは口外しないように言っていたはずだが…
「割に合わないなあ…くそっ」
商人に後悔はつきものだ。
だが、あまりに割に合わない損失に舌打ちをするしかなかった。
優秀な人材はお金では買えないのだから。
第5章をご覧いただきありがとうございます。
徹底的に主人公は痛めつけられました。同時に、彼らへのしがらみを全て断ち切ることで主人公は旅立ちを余儀なくされることとなったのです。
個人の武勇があったとしても、人の世で生きる以上政治的権力と喧嘩をするのは問題があるものです。それを知っているからこそ旅立ちを決意することとなったのでした。
次は幕間と位置付けて、前世のお話を少々ご覧いただきます。そもそも前世の勇者パーティーはどう出会っていったのか。そして彼らの冒険の一部を描いていきます。
さらにその次からは第6章です。次章も旅と冒険、新しい仲間がまっています。ご覧いただければ幸いです。
ちなみにこの「幕間」編は本編とは違う過去編となりますので、一気にドバっと投稿してしまうつもりです。
冬休み期間までには完結させたいと考えておりまして、全体の分量的にここも小分けで出してしまうと2月に突入しかねないためです。よろしくお願いします。




