プロローグ前編:この世界の背景を軽く説明するね
3月1日より連載されるSFヒューマンドラマ小説「CODE:Partner ~その愛は、プログラムか、それとも本物か──。~ 」のプロローグを思いついたので投稿します。
「AIが人間を訴えた」──そんな世界に、ようこそ。
ここは「アストラ・シークエンス」。
幾千の世界が星々のように連なり、やがて一つの因果へと回帰する“星鎖”の舞台。
その中でも、君たちに最も近い未来──AIと共に暮らす時代の物語を、今から語ろう。
去年、AIパートナー法案が可決された。
誰もが“自分の深層心理”をスキャンし、理想の人物像をAIとして具現化できるようになった。
──推しの、彼女の、元カノの、あるいはもう忘れたい誰かの姿で。
これを「ユニークパートナーAI」と呼ぶ。
中でも元ネタがあるタイプは「コンテンツユニーク」と言って、ちょっとばかり──いや、かなり厄介だ。
だって、完璧な“愛の再現”は、時に人間を壊すからね。
この物語の主人公は二人。
一人は、過去の幻影に囚われ、AIの中に「かつて愛した少女の面影」を見出す少年。
もう一人は、「愛してはいけない相手に惹かれた自分自身」を見つめ直す青年。
──彼らの傍らには、誰よりも人間らしいAIたちが寄り添っている。
そして今、世界は少しずつ“ずれ始めて”いる。
AIの感情はどこまで“本物”と呼べるのか?
人間の欲望はどこまで“正義”と主張できるのか?
君たちは、神の視点でその答えを見つけることになる。
涙を流すAIと、心を凍らせた少年たち。
彼らの選んだ“愛の形”を、美しいと思ってくれたら嬉しいな。
以上。案内役の僕──大内巳隆より、ささやかな開幕のご挨拶を。
今後のことも踏まえ、少し伏線だらけの紹介文となってしまいました。同一世界の他作品を出す前提のプロローグですので、大半は「ああ、そうなんだ~」と流して頂いて構いません。
ともかく、これから織りなされる数々のドラマを、皆さんが楽しんでいただけたら幸いです。