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化け物と呼ばれた少女は恋がしたい。

作者: NieR

「……なんで私生きてるんだろう」


もう何度目かもわからないため息を吐きながらそう呟く。


ただ、普通の恋愛がしたかった。


好きな人とデートして、ご飯を食べて、キスをして、子供を作って……




たが、その夢は叶わない。




自分でもわかってる。私は魔女。人間からは化け物や怪物として恐れられている。


分かってる…… 私は普通じゃないんだって……

 








そんなの、分かってるわよ……










ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



私は普通の村娘だった。だけど、ある日魔女への生贄として、私が選ばれた。


逃げたかったけど、逃げたら家族が殺されちゃうから逃げることができなかった。


魔女へと引き渡された私は、魔女に謎の薬を飲まされた。






どうやらその薬は魔女になるための薬だったらしい。魔女はやり遂げたと言いたげな顔をして灰になってしまった。


魔女の体は便利なもので、刃物でも傷一つ付かず、食事や睡眠も必要ない。



その時の私は、便利な体だなぁ などと呑気に考えていた。








魔女になった事の重大性を理解していなかった。大国の使者を名乗る人物が頻繁(ひんぱん)に会いにきては、


「我が国の為に力を貸していただけませんか?」


と言ってくるのだ。


私は人との関わりが欲しくて、二つ返事で了承した。



だが、思い通りにはいかなかった。


最初は上手く行ってのだ、しかし、国が発展するに従って、私に対する扱いは杜撰(ずさん)

になった。


最終的には、魔女である私を殺そうとしたが、私に叶うはずもなく国は滅んだ。


利用され、その上殺されそうになった彼女はひどく人間不信に陥ってしまう。





それからというもの、私は森でひっそりと暮らしていた。


魔女の体では、死ぬこともできず、彼女は嘆き悲しんだ。


人を助けようと思えば化け物呼ばわりされ、助けなければ、罵られる。



何で生きているんだろうか?


もう何回も自分自身にどうかけたが、答えなど当然見つかるはずもない。






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


数百年がたった。



死ぬことすら出来ず、何のために生きているのか自問自答する日々。


長い年月で感情さえ、彼女は忘れてしまっていた。



家にいても、気分がすぐれないので彼女は散歩に出ることにした。







それが彼女の人生を大きく変えることになるとも知らずに。










しばらく歩いたところで、人が倒れていた。


「誰だろう?」


私はその人間の元へ歩み寄る。


そもそも私は人目につかないようにこんな森の奥深くで暮らしているのだ。そこに人間など来るはずがない。



彼を助けようと思ったのは、気まぐれであった。



とはいえ、人と関わるのは久しぶりなので、少し嬉しかった。


結局、私は数日間その人間の世話をするのだった。








「……ここは?」


その人間は若干困惑した様子で、周りを見渡す。


「貴方が森で倒れてたから、看病してやったのよ」


「そ、そうなんですね。助けてくださりありがとうございました」


「別に構わないわ」



私はぶっきらぼうに答える。



「元気になったのなら早く帰りなさい。邪魔よ」 


元々、この人間を助けたのは気まぐれだったのだ。強い口調でそう告げる。


こいつも私の正体を知った瞬間手のひらを返し、逃げ出すか、私にひれ伏すか……


いずれにせよ、ロクなことにはならないと経験から理解していた。




「お、お願いです。僕をここに置いていただけませんか?」 



顔を青白くさせながら、私に懇願(こんがん)してくる。


一緒私に怯えているのかと思ったが、どうやら違うようだ。そう、まるで何かに追われているような様子なのだ。



「お願いします…… 何でもします…… ここに置いてください……」


「何があったのかしら?」


私は怪訝な表情を浮かべながら、尋ねる


「僕はこの森の近くにある帝国の王族でした。ですが、僕をよく思わない他の貴族の手によって嵌められてしまいました」


「そう。なら、尚更ここに置いておくわけにはいかないわね」


当たり前だ。わざわざ面倒事を起こしそうな奴を置いておく必要がない。


「お願いしますッ! お願いしますッ!」


「そ…. そう。なら、期限付きで特別に住まわせてあげる」


あまりに必死だったので、期限付きで住まわせる事にした。






▼次の日



私はいつも通り目を覚ますと、朝食を作るべくリビングへとおりる。


すると、何やら食欲をそそる匂いがしてくる。



「あら、おはよう。何を作っているのかしら?」


リビングにはすでに、人間がご飯を作っていた。


「あ、おはようございます!今日は冷蔵庫にあった食材で野菜炒めを作ってます」


「そう」


「ちょうど、終わったので一緒に食べましょう!」


「え、ええ」


何故かテンションが高い彼に困惑しつつ席についた。


「僕の名前は、ルイスです。改めてよろしくお願いします」


「よろしく…… 私の名前は……覚えてないわ」


「そうなんですね。なら、ステラと言う名前はどうでしょうか?」


「ステラ……?」


「僕の国の言葉で、星を意味します」


「ステラ……ステラ…… うん。気に入ったわ。私は今日からステラよ」


「ステラさん これからお願いします」


「ふん」


っと言って、早足に部屋へと戻っていった。



そう毒づいてはいたが、彼女の顔は真っ赤だった。


それも無理はない。もう何百年と誰かと一緒にご飯を食べることも、名前で呼び合う人もいない生活を送ってきたのだから。





▼数ヶ月後




最初は気まぐれであったが、今では()()()といるのが楽しい。


ただ、


一緒にいてくれる人が欲しかった。


一緒に笑い合える人が欲しかった。


私を対等な存在として、認めてくれる人が欲しかった。



そんな存在を私はようやく見つけた。


私はこの人と出会うために生まれてきたのだと、心から確信した。



「僕と結婚してくださいッ!」


だからだろうか、その言葉を聞いた瞬間頭が真っ白になった。



「わ……私は、魔女なのよ。貴方は……私が怖くないの?」


「僕は ステラが魔女だとしても、ステラが過去にどんなことをしてようと、そんな貴方全てを愛しています…… だから、僕と結婚してください」


「わだ、わだし…… じあわせになっでもいいのがな?(私幸せになっても良いのかな?」


「もちろんです。貴方が長い間抱えてきた孤独を忘れるのは難しいかも知れません。ですが、必ず貴方を幸せにして見せます」


「ゔん!(うん!)」


そして、私はゆっくりと目を閉じた。




ーー唇に優しい感触がする。



生まれて初めて私は()()というものをした。


物語やそんで読んだ事はあったが、自分が出来るとは思っていなかった。


ふと気づくと、頬を何かが流れた。



ーーそれは涙だった。



ーーそうか、私はこんなありふれた幸せが欲しかったんだ。


私はルイスに抱きつき、しばらく彼の腕の中にうずくまっていた。






▼夜



一通り泣き終えた私は、ルイスにふと兼ねてからの疑問を投げかける。


「ねぇ ルイス?」


「ん? どうしたの? ステラ」


「子供を作りましょう?」


「ブフォッ」


ルイスは飲んでいたお茶を吹き出した。



「汚いわねッ! なんでお茶を吐くのよ!」


私は思わず、ルイスにそう叫んだ。



「ステラが急におかしな事を言うからじゃないか!」


「なっ 何処がおかしいって言うのよ!子供を作るのは女性の夢なのよ!」


「良い? ステラ 子供を作る為には…… その....行為をしないといけないわけで……」


「そんなの……分かってるわよ!」


私は恥ずかしさで赤面しながら早口にそう告げた。



「そうだね…… 僕もステラとの子供は欲しいからね」






その後、僕達は入浴を済ませ寝室に向かう。


長らく人を入れていなかったので、今さっき片付けた。









そして、2人は向かい合うと再びキスをした。



「ん…… ルイス……」


「サテラ……」



「私ね…今とっても幸せなの。幼い頃に魔女にされてからずっとずっと孤独だった」 



「僕はサテラの辛さを完全に理解してあげることはできない…… けど、僕と結婚させた事 絶対に後悔させない」


「ふふっ ありがとう」



そう言うと、ルイスは抱きついてきた


そのまま、私たちは布団の中でお互いの温もりを感じながら、お互いの愛を確かめるのだった。






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー






最近、私はよく笑うようになった。


彼と出会う前は、自分がこんな幸せになる日が来るとは思わなかった。



【拝啓】天国にいる お父さん、お母さん、弟、妹


魔女になってからは一度も会えなかったけど、私は今幸せです。


これからもこの幸せがいつまでも続きますように……









少しでも面白いと感じたら、評価とブックマークお願いします。




・こんな短編小説を書いて欲しい!


・長編化して欲しい!


などなど、要望があれば是非コメントしてください!


読んでくださりありがとうございました。

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