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ぼくは魔法の子猫ちゃん  作者: かこちかほ
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転生厨、転生中。




 ぼくは遠いところから来ました。

 違う世界より来ました。

 

 有り体に言えば、そう異世界転生です。ぼくが元居た世界ではそれを扱ったフィクション作品が漫画や小説、アニメーションなどで人気を博していました。


 かく言うぼくも幾つか小説を持っていました。毎月の様に異世界転生を題材とした作品が発売されていたので、月々の少ないお小遣いをやりくりしながら発売日には家の近くの書店に駆け込んだものです。


 今となっては遥か昔のことのように感じます。

 いや、実際昔なのでしょう。

 

 何故ならぼくは、今回が初めての転生では無いからです。

 2回目ですらありません。何回目だろう?

 

 もう10を超えたあたりでやめてしまいました。ですからもう数えきれ無いほどな人生をやり直していることになります。トータルすれば時間にして何百年とかになるのではないでしょうか。


 もっとも、時には人では無かった場合もあったので人生という表現が正しいのか不明ですが。


 一応、ぼくとしては最初に居た世界の自分を自身として定義しています。


 だから人以外に生まれ変わっても、そう、例えばファンタジー作品に出てくるような醜悪な顔した小鬼のゴブリンに転生しようとぼくは人間のつもりだから人生。町を100万匹以上の大集団で襲って家畜だろうが人だろうが、家やら家具やらその辺の石ころすら貪り喰らうようなバッタ(?)だろうがぼくは人間だから人生。山の如き巨大なドラゴンだったとしても人生。


 断じてゴブ生とかバッタ生とか竜生などではありません。


 ぼくはあくまで人間。だから人生。何度生まれ変わったって人生。そのつもりだったんですが……。


 

 最近ちょっと自信なくて……。


 こんなに転生を繰り返すぼくはきっと普通じゃない。では普通じゃないぼくは特別?いやいや、そんなはずはありませんね。きっと他にもいるはずなんです転生者。証拠はぼく自身。ぼくが転生したなら他の人間だって転生してもおかしくない。そんな理屈です。


 だって元の世界のぼくは普通の男子中学生だったのですから。


 どれだけ普通かといえば、某少年漫画雑誌を読んでいる時に不意に家族又はクラスメイトに「何読んでるのぉ?」と話かけられて咄嗟にじっくりねっぷり舐めるように読んでいたちょっとHなラブコメディである「ゆ○ぎ○の○奈さん」ではなく超有名冒険海洋ロマン「ワ○ピース」の名前を挙げてしまうような普通ぶりなのです。


 そんな普通のぼくだけが転生を体験するって考えられるでしょうか。あり得ませんよね。だからきっと、これはしてみるまでは知らなかったけれどごくありふれた体験なんです。死んだことある人間にはごくごく普通の体験なはずなんです!


 まぁ、未だ転生した人間にあったことはないのですが。

 きっとどこかにいるのでしょう。


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