ぼくは魔法の子猫ちゃん
転生繰り返して幾星霜。身体はリセットされても心はされず。いい加減に疲れた今日この頃。
わたしは誰、ここは何処?
そんな問いも何十回目ともなれば気にならない。
わたしはぼく。ここは何処か違う世界。
つまりは異世界転生。新しい世界での冒険に心躍らせたのも今は昔。今の、すっかり転生にくたびれてしまったぼくが思うのはただ一つ。
またですか?
だがそう思ったが最後。もうこの人生は惰性に成り下がるのです。すでに今の身体になって何年か経過していますが未だに何に転生したかも解らないまま。ざっくりと小動物っぽいものに転生したらしいと認識してます。みゃー。
自分が猫なのか犬なのかモンスターなのかは不明だけれど、どうやら生きていくのに自分が何者であるかとかは知らなくても不便はないみたいです。何せ気がついたら今というぐらいの感覚なもんで。
一応、自分が最初に生まれた世界では人間していたのでぼくは人間のつもりです。例え姿形がそれに似ても似つかなくてもね。
ぼくは人間。そのつもりでこれまでも転生して生きてきました。
転生して生きるってなかなか意味不明ですが、これが一番しっくりくる表現ですね。何せ生まれ変わってもぼくはぼくな訳で。
若干オタクが入っているけど本人は全然そのつもりがなくて家族やクラスメイトにその手の作品(例えば某少年漫画雑誌とか)を読んでる時などに「なに読んでるの?」とか聞かれようものなら咄嗟に超有名作品「ワ○ピース!」とやたら早口で答えて一刻も早く切り上げてこのちょっとHなラブコメディである『ゆ○ぎ○の○奈さん』読んでいた事実を隠匿しよとする程度には普通の中学2年生の男子なのがぼくな訳で……。
「あなたはンニャラチンかしら?」
「みぃー……?」
どうやら今回のぼくはンニャラチンらしい。
これは転生を繰り返すぼくと魔法少女の物語。
転生厨、転生中。
2020/04/19 22:29
(改)